1 事業の背景
○水稲
水稲「コシヒカリ」は、県内で50%以上作付されている主要品
種である。しかし、近年、夏季の高温条件下において、平坦地を中心に白濁米等の未熟粒の発生が多く、検査等級が低い状況となっている。販売面でも有利な品種でもあり、JA、生産者及び農業改良普及員から品質向上に向けた栽培技術の改善要望が強い。
○大豆
大豆「サチユタカ」は、県内で70%程度作付けされている主要な品種である。近年、播種後の降雨により、生育不良となるほ場や、県東部では成熟時期に青立ち状態となる事例が報告されている。また、畑作戸別所得補償制度が平成23年度から始まり、収量及び品質向上が直接所得向上に結びつくこととなり、大豆生産者からそれらの向上に向けた総合的な栽培技術の確立要望が強く望まれている。
2 事業の目的
水稲「コシヒカリ」の品質向上と大豆「サチユタカ」の生産安定
3 事業の内容
1 水稲「コシヒカリ」の品質向上に向けた作期試験(H24〜H26)
6月中下旬等遅植による品質向上及び収量性の検討
2 大豆「サチユタカ」の安定生産に向けた技術の確立(H24〜H26)
作期(5月下旬〜7月中旬)拡大に向けた栽培法の検討
4 事業の効果
○生産者・消費者への効果
・水稲「コシヒカリ」の品質向上による所得向上
コシヒカリ作付面積等
H22:約7,500ヘクタール、1等米比率:12.4パーセント
1等米と2等米の価格差:30キロあたり500円
→ 1等米比率の向上 80パーセント以上
・大豆の品質向上と安定収量による所得向上
サチユタカ作付面積等
H22:約600ヘクタール 収量 10アールあたり135キロ
→ 収量の向上 10アールあたり 250キロ
これまでの成果
○水稲「コシヒカリ」の品質向上については、籾数が1平方メートルあたり28千粒以上着粒すると品質低下し、その対策としての追肥方法を平成20年度成果情報として提供。
○H24「コシヒカリ」の品質向上のための適正作期および基肥量の明確化。
○H24「サチユタカ」の生産安定のための作期・栽植様式の違いによるデータ集積。晩播による生産安定の可能性有り。
事業期間と年次計画
| H24 | H25 | H26 |
1)水稲「コシヒカリ」の品質向上技術の確立
6月中下旬等遅植による品質向上および収 量性の検討 | ○ |
○ |
○ |
高温条件に対応した施肥体系の見直し | ○ | ○ | ○ |
落水時期の検討 | | ○ | ○ |
現地実証 | ○ | ○ | ○ |
2)大豆「サチユタカ」の生産安定技術の確立
作期(5月下旬〜7月中旬)拡大に向けた栽 培法の検討 | ○ |
○ |
○ |
生育量を確保するための栽培様式の検討 | ○ | ○ | ○ |
現地実証 | ○ | ○ | ○ |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○水稲「コシヒカリ」の品質向上については、籾数が28千粒/u以上着粒すると品質低下し、その対策としての追肥方法を平成20年度成果情報として提供。
○H24「コシヒカリ」の品質向上のための適正作期および基肥量の明確化。
○H24「サチユタカ」の生産安定のための作期・栽植様式の違いによるデータ集積。晩播による生産安定の可能性有り。
これまでの取組に対する評価
左記対策を行っても高温条件下においては品質向上に結びつかない場合があると考えられる。