1 事業内容
湯梨浜町の果樹育種家であるA氏が育成した梨新品種の品種登録に向けた、新品種の育成を支援するとともに、新品種の品種特性検討会等の開催を支援する。
また、梨新品種を活用した地域振興に取り組む農業者組織による、関東甲信地区への先進地視察研修等を支援する。
2 事業費、要求額、補助率
(1)組織活動費(品種育成、検討会・先進地視察研修の実施等)
事業費 535千円
要求額 268千円
(2)補助率
3/4(県1/2、町1/4)
3 事業実施期間、事業実施主体
(1)事業実施期間
平成24年度から27年度まで(4年間)
(2)事業実施主体
東郷果実部
4 対象品種
(1)湯梨浜町の果樹育種家が育成した梨新品種
果色 青梨
収穫時期 8月上旬
糖度 14〜15度
果重 300グラム程度
5 背景、目的
(1)背景
○湯梨浜町の果樹育種家であるA氏が、長年に渡り地道な育種改良を進めた結果、有望な梨新品種が見出されるようになった。
○露地栽培で8月上旬に収穫が可能で、糖度が高く栽培が容易な青梨は未だ育成されておらず、A氏が育成した梨新品種は、この課題を解決する可能性を秘めている。
○しかし、梨の品種登録は様々な手続きや蓄積したデータの取りまとめ等が必要なため、個人では品種登録が困難であり、このままでは優良な遺伝資源が埋もれて散逸してしまう恐れが生じたことから、関係機関で協力して品種登録に向けた活動に対して支援するとともに、併せて地域振興に取り組むこととした。
(2)目的
○湯梨浜町の果樹育種家であるA氏が育成した梨新品種を優良な遺伝資源と捉え、関係機関と協力して、品種特性について正当な評価を行い、効率よく品種登録を行うように支援する。
○また、地域資源である梨新品種を活用して、東郷地域の振興を推進していく組織の活動支援も併せて行う。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)品種登録へ向けた取組
ア 新品種評価会の実施
日時 平成24年8月8日(水)
場所 鳥取中央農協東郷梨選果場会議室
参加者 育成者、東郷果実部、関係機関 計26名
調査結果 平均糖度が14度で食味も良好であった。
イ 試験種苗の増殖
○平成23年冬期に原木から採取した穂木を、東郷果実部の9名が接ぎ木を行って、穂木(種苗)の増殖に取り組んでいる。
○また、苗木用台木の育成が、若手農業者を中心に行われている。
ウ 黒斑病の感受性検定の実施
○園芸試験場と連携して、梨の重要病害である黒斑病の感受性検定を実施したところ、抵抗性品種と同程度である可能性が高いということが判明した。
(2)地域振興へ向けた取組
ア 視察研修の実施(11月下旬の予定)
○新品種の果皮が弱いという特性に対応した選果を行うため、同様に果皮が弱い梨品種を取り扱っている県外選果場への視察研修を実施する予定である。
これまでの取組に対する評価
(1)品種登録へ向けた取組
○昨年度に引き続き、新品種評価会の実施を支援した。調査結果より、新品種の評価がさらに高まり、農業者の期待感が高まっている。
○試験種苗の増殖は、農業者が主体的に取り組んでおり、産地として新品種を育てていこうという機運が高まってきている。
○品種特性については、園芸試験場等と連携しながら進めており、徐々に特性が明らかとなりつつある。
(2)地域振興へ向けた取組
○新品種を販売していくにあたって、果皮が弱いという特性に対応した選果が必要となる可能性が高い。そのため、東郷果実部が視察研修を平成24年11月頃に実施し、自ら解決方法を探っていく予定である。