1 事業概要
本県の広域防災拠点を整備するため、有識者等による広域防災拠点検討委員会(仮称)を開催し、機能・候補地等の検討を行うとともに、基本構想計画を作成する。
2 事業内容
(1)広域防災拠点検討委員会(仮称)の開催
<検討項目(想定>
・広域防災拠点に求められる機能(立地、設備等)
・災害ハザードに対する備え(地震・津波、風水害等)
・候補地選定、施設機能の検討 等
※東日本大震災の教訓を踏まえた拠点整備のあり方を検討
(2)基本構想計画の作成
広域防災拠点検討委員会で出た結論を基に、基本構想計画(整備箇所、施設整備概要、スケジュール等)を作成
3 経費
項目 | 内容 | 経費 |
(1)
広域防災拠点検討委員会(仮称)開催経費 | 委員10名(自治体代表職員、学識経験者、物流業界代表、消防職員、自衛隊等)
(謝金)
8,900円×5名×3回=134千円
(旅費)
10,000円×5名×3回=150千円 | 284千円 |
(2)
検討委員会資料作成業務委託
| 県のデータ(災害危険度情報、敷地・建物状況、道路アクセス等)をもとに、現地調査等を実施し、委員会に必要な資料を作成
○候補地ごとの条件(立地、インフラ、輸送体制等)比較検討資料
○拠点整備の概略設計(施設配置、利用構想図等)資料
○整備の概算経費積算 など | 4,898千円 |
合計 | 5,182千円 |
4 現状・背景
東日本大震災で、岩手県遠野市が応援部隊や物資、ボランティア等の中継拠点として、また、福島空港が物資の県内外各地への広域支援・物資輸送の拠点になるなど、様々な用途で各広域防災拠点が支援活動に大きな役割を果たした。
現在、県内において、このような広域防災拠点の候補地はあるが未整備の状態。
(県としてのこれまでの取り組み)
県内3箇所(コカ・コーラウエストスポーツパーク、東郷湖羽合臨海公園南谷広場、鳥取県消防学校)を候補地として選定している。
5 現在の候補地の課題
◆県有既存施設に限って選定した候補地であり、市町村施設等を含めた幅広の検討が必要。
◆物資集積配送拠点機能がある施設がない。
⇒農協施設を活用する仕組みを構築しているが、県独自での集積配送拠点の必要性。
◆施設の浸水、液状化被害の可能性
◆鳥取道等の高規格道路の開通を見越した立地の検討となっていない 等
6 整備の必要性
東日本大震災時、県外からの人や物資の受援体制(応援部隊の終結場所、物資集積配送拠点等の体制整備)を具体的に設定しておらず、その選定に時間を要したことや、内陸部と沿岸部を結ぶ幹線道路の寸断により、支援が困難な時期があったこと等の教訓や課題が浮き彫りになった。
このことから、県内1箇所にハブ拠点施設を設置することや、サブ拠点を含めた複数箇所を検討し、東日本大震災を教訓とした整備を行う必要がある。
また、平時における活用方法も踏まえた機能整備も併せて検討する必要がある。(地域防災力向上のための防災体験施設の併設等)
【東日本大震災を教訓とした新たな観点】
●県外からの支援物資の集積配送拠点の整備
⇒現時点の県内の交通インフラを考慮した再選定
⇒大型トラックが入れることやフォークリフト使用できる場所のハード整備(運送事業者の施設を使用する協定の検討)
●各関係機関との調整や物資輸送調整等を図るための通信インフラの整備
●県外からの支援の利便性
●他の計画(広域搬送拠点(SCU)等)との整合性
●津波等の災害を考慮した安全性 など
【広域防災拠点に求められる機能】
1.災害対策本部(現地支援本部)またはその補完機能
2.支援部隊等の活動要員の一時集結・ベースキャンプ機能
3.災害医療活動の支援機能
4.備蓄物資の効果的供給機能
5.救援物資の中継・分配機能
6.海外からの救助活動要員の受け入れ機能
7.海外からの救援物資の受け入れ機能
※広域防災拠点が果たすべき消防防災機能のあり方に関する調査検討会報告書より抜粋(H15.3 消防庁)
⇒本県においても、東日本大震災の教訓により新たに求められる機能や、県内で想定される大規模災害に備える機能、災害に対する安全性等について、県有施設以外の候補地も含め、具体的に検討し、整備する必要がある。