1 事業概要
鳥取県原子力防災専門家会議(平成24年6月4日)で決定された島根原子力発電所に係る平常時モニタリング計画を実施するため必要な機材を整備するとともに、鳥取県原子力安全対策プロジェクトチーム会議で検討した島根県放射線情報システムとの連携などを国交付金(10/10)を活用して実施する。
2 事業内容
放射線監視等交付金を活用して、平常時モニタリングに必要となる測定機能の整備を計画的に進めていく。
(1)各種モニタリングシステムとの連携
危機管理局にある環境放射線モニタリングシステムに次の放射線監視システムを接続することにより、環境放射線の状況を一体的に監視できるようにする。
・島根県環境放射線情報システム(島根県)
・水準調査モニタリングシステム(鳥取県生活環境部)
・島根原子力情報伝送システム(中国電力)
(2)モニタリングシステムの測定項目の追加、監視局の増設
平成23年度国の4次補正により、境港市及び米子市に整備するモニタリング局舎につぎの装置を追加して機能強化を図る。併せてモニタリング体制を強化するため監視局を増設する。
項目 | 追加装置又は設置場所 | 備考 |
モニタリング局舎の機能強化 | (1)高線量放射線測定器
(2)ダストモニタ
(3)ヨウ素モニタ
(4)気象観測装置 | (1)外部被曝情報
(2)内部被曝情報
(3)内部被曝情報
(4)物質移動情報 |
監視局の増設 | (1)西部総合事務所
(2)水・大気環境課
(3)衛生環境研究所
(4)中部総合事務所
(5)日野総合事務所 | (1)現地災害対策本部
(2)平常時モニタリング
(3)平常時モニタリング、緊急時モニタリングセンター(EMC)
(4)情報共有拠点
(5)情報共有拠点 |
(3)環境試料の分析
平常時モニタリングとして、環境試料の分析を行い、平常時の放射能レベルを把握する。
ア 原子力環境センター(仮称)
平常時モニタリングで必要となる、トリチウム等の分析を行う機能を有する原子力環境センター(仮称)を衛生環境研究所に設置するための設計を行う。
イ 環境試料の分析
機器を活用して、つぎの環境試料の核種分析を行い、環境の放射能レベルを把握する。
・浮遊じん、降下物
・陸水、土壌、植物 等
3 事業経費
・モニタリングシステムの連携、モニタリング局舎の機能強化、
監視局の増設 277,347千円
・原子力環境センター(仮称)の設計 45,372千円
・環境試料の分析 3,862千円
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○平成24年6月4日鳥取県原子力防災会議で島根原子力発電所に係る平常時モニタリング計画(想定案)の承認をいただき、実施可能な測定には取り組んでいる。また、実効性のある実施に向け関係者との調整を開始している。
○平成23年度の国の4次補正により、境港市及び米子市にモニタリング局舎(低線量モニタリングポストを含む)を整備中。
○平成24年度放射線等監視交付金(10月末交付決定予定)により、上記モニタリングポストに、浮遊じん採取装置及び降下物採取装置を追加する予定。
これまでの取組に対する評価
○10月に原子力災害対策指針でUPZ(緊急時防護措置準備区域:概ね30km)が定義され、島根原子力発電所に係る平常時モニタリングの必要性が定義された。
○鳥取県では、UPZに境港市及び米子市の一部が該当し、モニタリングに必要となる機能整備を順次進めていく必要がある。