1 背 景
○山陰海岸学習館は、平成22年度のリニューアル及びその後の
取組の充実により多くの来館者を得て、25年1月からは県内初
の常設「3D映像」施設として、一層の来館者増を見込んでいる。
○さらに、平成26年度の世界ジオパークネットワーク再審査に向
け、隣接の岩美町立渚交流館との連携を深める取組も進めてい
る。
2 事業概要
山陰海岸学習館の今後のあるべき姿と方策を検討するとともに、国の社会資本整備総合交付金(広域連携事業)を活用し、駐車場拡張や渚交流館との間に橋を設置するなどして、山陰海岸ジオパーク拠点施設として拡充整備する。
(1)山陰海岸学習館の在り方策定 1,365千円
学識経験者、行政機関・関係団体関係者10名程度で構成す る検討委員会を設置し、山陰海岸学習館の施設設備や情報発 信強化等の課題解決に向け、同館の在り方と方策を検討。
(2)収蔵資料兼機材保管庫内の棚整備 868千円
増加している収集・寄贈の岩石等や除雪機を収納するため平
成24年2月補正予算で設置予定の保管庫内に棚を整備。
(3)道路沿い案内標識の設置 5,394千円
現在、施設入口付近にしか案内標識がないため、周辺の国
道及び県道に案内標識を設置。
(4)駐車場拡張 5,156千円
現在、バスや身障者用を含めて19台分の駐車スペースしかな
く、駐車できない車は隣接の渚交流館駐車場を案内しているが、
来館者増に対応するため、駐車場入口横の民有地を買収して駐 車場を拡張。
・25年度 民地鑑定評価、測量・設計委託、用地買収
・26年度 整備工事
(5)橋の設置 4,442千円
渚交流館との間の河川に橋を設置し、国道に出なくても人や車
が往来したり駐車できるようにすることで、名実ともに両館を一
体的な拠点施設にするとともに、駐車スペースを確保。
・25年度 民地鑑定評価、測量・概略検討委託、用地買収
・26年度 詳細設計委託、地質調査・解析委託
・27〜28年度 下部工工事
・29年度 上部工工事、周辺整備工事
3 要求内容
【参考】政策戦略関連の一般事業等
(1)「山陰海岸ジオパーク」の魅力を学ぶ講座開催費()
2,072千円(1,550千円)
・主催講座の開催
・隣接する拠点施設(渚交流館)等との連携強化
・学芸員派遣(出前講座等)の実施
(2)ジオパークを楽しく学べる学習館充実事業()
26,044千円(21,959千円)
・ジオパークの拠点施設としての管理運営
(職員態勢の充実、キッズコーナーの設置等)
・ジオパークの魅力を伝える展示資料等の充実
(隣接館との連携目的の標本展示資料の製作等)
・ジオパークエリア内の調査研究の促進
・山陰海岸学習館情報発信強化事業
(「山陰海岸学習館ギョギョバイザー」のさかなクンによる お絵かき教室の開催)
(3)山陰海岸ジオパーク映像資料充実事業(、)
18,715千円(21,134千円)
・3D立体映像の制作
(海中を中心とした映像を新作)
・3D立体映像投映機器等リース及び運用等
(3Dプロジェクターリース等(債務負担行為承認済))
◆【家庭・地域教育課】
「山陰海岸ジオパーク」アドベンチャースクール()
1,417千円(1,324千円)
・アドベンチャースクールの実施
◆【文化観光局 観光政策課】(政策戦略事業)
山陰海岸世界ジオパークネットワーク推進事業()
34,434千円(5,872千円)
・山陰海岸国立公園指定50周年を契機とした情報発信
・ジオパーク旅行商品造成の推進 等
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
〈政策目標〉
1 常設展示・企画展の充実
・教育振興計画に掲げた入館者目標値の実現
(平成25年度までに0.4万人増)
2 楽しく学べる教育普及プログラムの充実
・教育振興計画に掲げた教育普及活動への入館者目標値の実現
(平成25年度までに0.1万人増)
3 来館者サービスの向上
・来館者の施設・サービスに対する満足度の向上
〈山陰海岸学習館のこれまでの取り組み〉
・H18年度に博物館に附置(同8月に専任学芸員(海洋生物)を配置)。
・H20年度に生態展示用水槽などを整備し、山陰海岸・日本海の生きものを紹介。
・H21年度に「山陰海岸ジオパーク構想」を踏まえた拠点施設として整備充実を行い、H22年4月24日にリニューアルオープン。その後は、美しい景観やそこにくらす動植物などの山陰海岸ジオパークの魅力を、さまざまな角度から紹介する施設として活動中。
〈達成度〉
・リニューアルオープン後の入館者数が過去の入館者数の約4倍となるなど、多くの来館者を集めている。家族や個人での来館だけではなく、小中学校や公民館などの団体利用が大幅に増加した。
・H22年4月には地学系学芸員を新規採用し、ジオパークの教育・学術面にも積極的に貢献する体制を整えた。
・H23年4月からは展示解説・体験コーナーを担当する非常勤専門員を1名増員し、急増した来館者への適切な対応とサービス向上に努めた。
【入館者数の推移】
〈4〜9月〉 〈年間〉
・H21年度: 8,233人 10,255人(リニューアル前)
・H22年度: 25,562人 39,084人(リニューアル後)
・H23年度: 23,465人 34,012人
・H24年度: 20,062人
【団体利用(展示解説)等の推移】
・H21年度:延べ83回
・H22年度:延べ309回
・H23年度:延べ339回
・H24年度:延べ135回(4〜9月)
これまでの取組に対する評価
・H22年4月のリニューアルオープン後の来館者数、小中学校を含む団体利用、学芸員派遣の要請数などから判断して、山陰海岸ジオパークの拠点施設として一定の成果が得られていると考えられる。
・また、展示資料の充実のために、平成24年度から3D立体映像の映像資料の作成に取り組んでおり、さらに増加が見込まれる来館者へのサービス向上のために、駐車場拡張等の環境整備が整備が必要である。