1 事業概要
農業の担い手は、これまで農業担い手の後継者により継承されていたが、高齢化等による担い手不足から、多様な後継者確保が必要となっている。
この事業では、雇用を通じて担い手を確保する農家・農業法人を支援していく。
2 これまでの成果
(1)本事業により、375名(10月末現在、24年度採択71名)の新規雇用が創出され、農業経営への常時雇用の導入において、約70%が定着し、継続雇用されるなど一定の成果があった。
(2)引き続き雇用による規模拡大や新部門導入等を行う農業法人等を支援することにより、新規就農者の確保と農業の持続的発展に資する。
3 事業内容
新規就業希望者を雇用し、以下の事業を行う雇用主に対し、研修実施等に要する経費を助成する。
(1)新規就業者早期育成支援事業(雇用創出目標70名)
【92,419千円(前年度79,711千円)】
国版農の雇用事業(以下「国庫事業」という。)を活用し、県独自のかさ上げ助成を行う。(事業実施主体:農業会議)
【1年目】
新規就農希望者等を新たに雇用する農業法人等に対し、OJT研修等を行うための経費を助成する。
● 研修生1人当たり県費負担額
研修費 : 139,000円/月(国庫事業採択後 42,000円)
【2年目】
● 研修生1人当たり県費負担額
研修費 : 97,000円/月(国庫事業採択後 0円)
【3年目】
新規就業者を継続雇用し、5年後の具体的な所得向上を目標に掲げ規模拡大や新部門導入等に取り組む農業法人等に対し、人材養成のための研修経費を助成
● 研修生1人当たり県費負担額
研修費: 50,000円/月 (国庫事業無し)
【指導者研修費】
研修生の教育研修の実施のために必要な人材育成手法や労務管理等を習得するため、指導者自ら研修に要する費用の助成する。
●指導者研修費: 36,000円/年 (国庫事業採択後は0円)
(研修開始から最長2年)
【農業インターンシップ助成金】(1,400千円)
新規就農希望者の定着率向上のために、事業要件の正規雇用前の一定期間(体験期間1週間以上)の事前農業体験を行った体験受入農業法人等に助成金を交付する。
● 研修生1人当たり1回2万円(70名分)
【事業推進費】(5,687千円)
農業会議の指導人件費、旅費、事務費等
<内訳>
費目 | 金額 | 摘要 |
人件費 | 4,427千円 | 非常勤単価 1.8名 |
事務費 | 1,260千円 | 出張旅費等 |
合計 | 5,687千円 | |
(2)県産農林水産物加工業者雇用支援事業
(雇用創出目標10名)【36,900千円】(前年度35,700千円)
県産農林水産物を利用した加工品等の開発、生産拡大等を行うために新たな雇用をする食品加工業者に対し、研修経費等を助成。
● 研修生1人当たり助成額
研修費 : 140,000円/月
住居手当等 : 33,000円/月
● 雇用創出目標 : 10名
(3)農林水産コラボ研修支援事業(雇用創出目標20名)
【34,936千円】(前年度 16,560千円)
雇用受け皿拡大と地域産業維持のため、農業で通年雇用が困難な場合、他産業と連携して新規就業者のOJT研修(出向研修含む)等を行うための経費を農業法人や農業参入を目指す一般企業等に対して助成。
● 研修生1人当たり助成額
研修費 : 1年目 139,000円/月、2年目 100,000円/月
● 雇用創出目標 : 20名
(4)雇用拡大経営体緊急支援事業
【15,831千円】 (前年度 8,000千円)
新規就業者早期育成支援事業実施法人等ががんばる農家プラン事業(6次産業化事業含む)を活用して、施設・機械等の整備を行う場合に、事業費の1/6を上乗せ助成する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<政策目標>
・農業法人等での雇用就農の推進(目標 4年間で400人)
<取り組み状況>
・20年度からの累計で375名(10月末現在、24年度採択71名)の研修生が新たに雇用され研修を開始。
・平成24年度より国庫事業が2ヶ年になり、近年減少していた新規就業者が増加の傾向にある。
・雇用拡大経営体緊急支援事業は経営体の経営基盤の拡大により雇用安定と雇用拡大を推進する目的で実施しており、事業活用して法人化、就業環境を整備し雇用拡大を狙う経営体が増加。
これまでの取組に対する評価
<自己評価>
・1年目研修終了直後から研修終了3年後まで実施する定着状況は約70%でさらに定着率向上を図る必要がある。
<今後に向けた改善点>
・農業への定着促進を図るため、鳥取県農業会議、(財)農業農村担い手育成機構、市町村、県とが連携し、新規就農者(独立就農、雇用就農)および雇用経営体のサポートを図る。