1 概要
飼養管理に不可欠な敷料であるオガ粉の製造機を整備し、自給することで飼養管理を改善し、牧場の機能向上を図る。
2 補正理由
敷料の需要量が急増する冬季に稼働出来るよう緊急に整備する必要がある。
3 背景
■ 畜産農家の要望に応え、平成24年に冬季で常時1000頭預託体制の牛舎を整え、通年で常時1000頭の受入れが可能となったが、舎飼いとなる冬季は飼料費や敷料費などコストが増加する。
■ 1000頭規模の場合、本来は15,000立法メートルのオガ粉が必要となるが、これまでは1,100立法メートルのオガ粉しか確保出来ていない。
■ 一方、景気低迷による住宅需要の減少により、製材業も低迷しており、製材業の副産物であるオガ粉は入手が難しくなっている。
■ また、昨年度末から急激な円安により購入飼料の価格が高騰しており、公共牧場は配合飼料基金に加入出来ないため、経営を圧迫していることから、より一層のコストの縮減が不可欠となっている。
■ 牛舎内の水分調整をする資材として、敷料(オガ粉)は、糞尿 の水分吸着や牛の滑走防止など必要不可欠な資材(コスト)だが、十分な敷料施用にいたっておらず、経営コストを意識するあまり育成成績も満足できる成績に至っていない。
4 事業内容
項目 | 内容 | 数量 | 事業費 |
オガ粉製造装置 | チップ及び端切れ材をオガ粉に粉砕する装置 | 一式 | 15,929千円 |
5 事業効果
(1)良好なコンディションの育成牛を酪農家へ提供
飼養環境を改善し、良好に発育した育成牛を酪農家へ返すことで、公共牧場としての役割を果たし、酪農成績の向上を図ることが出来る。
(2)預託期間の短縮
十分な敷料確保により、牛床の冷えや滑走事故の未然防止など、育成牛のきめ細かい管理により、早期種付けを実施し、預託期間の短縮を図る。
(3)堆肥化の促進
オガ粉を十分に敷料に使用し、糞尿との水分調整が促進されることから、堆肥化が促進され、品質の向上が期待される。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
◇公共牧場基盤整備事業は、平成20年度〜平成21年度まで、放牧場轄内を中心に、堆肥化処理と飼料高騰対策のために必要な整備を実施。
・H20:鳥取放牧場堆肥化処理施設を整備し、堆肥処理能力を向上。
・H21:飼料価格の高騰対策として、河合谷・兵円牧場牧野の草地整備を実施。簡易草地更新機の導入による自給飼料生産基盤の強化。TMRミキサー(飼料混合機)を導入し、給餌作業を効率化。
◇平成22年度より、大山放牧場の基盤整備へ移行。
・H22:整備に向けた設計を実施。
・H23:第2牛舎1棟、用地造成、電気牧柵の整備を実施
・H24:第1牛舎1棟 堆肥舎整備
◇平成25年度は和牛受精卵移植の機能強化
・ETカーの整備
これまでの取組に対する評価
◇鳥取放牧場の堆肥化施設の完成により、良質堆肥の生産が可能となった。
◇河合谷・兵円牧野の草地整備により、牧草収量の増加 (飼料自給率の増加)が図られた。また、大山放牧場の牛舎整備により、今後、飼養頭数の増加が見込まれる。
◇以上のとおり、牧場基盤整備により、公共育成牧場の常時1000頭体制が整備された。