・中部圏域では、分娩を行う医療機関が減少。
平成23年10月から3施設→2施設
・時を選ばない出産に伴う勤務環境の過酷さなどから、新たに分娩を行う産科診療所の開業を希望する産科医が見込めない。
・勤務環境の過酷さ等は、産科医を目指す者の減少に影響しており、新たな産科医が増えないことによりさらに勤務環境が悪化する懸念がある。
・医療スタッフの少ない産科診療所が分娩を継続するためには、助産師の確保が喫緊の課題である。
・正常分娩を行う産科診療所の減少は、分娩を行う病院の負担増の一因ともなっている。
【中部保健医療圏の産科・小児科医療体制検討会の検討状況】
H24年11月からH25年1月にかけて検討会を3回開催し、現状・課題の議論を踏まえ、以下のような対応策を取りまとめた。
・厚生病院産科、小児科医師の鳥取大学からの新たな応援とそれに対する支援
→ 早期実現に向けて継続検討
・奨学金の制度変更等による鳥取大学の産科・小児科への入
局者の増加
→ H25年度当初予算要求に向けて検討
・診療所助産師の待遇改善の支援等による診療所の助産師確
保
→ 呼出待機(オンコール)手当について、H25年度当初予算要求に向けて検討
・県立倉吉総合看護専門学校助産学科の入学者選抜方法の
工夫による県内入学者の増加
→ 県内推薦枠(現在6名)の拡大について、H26年4月実施に向けて検討
・小児科診療所等の時間外問合せ対応等による厚生病院の小
児科医の負担軽減
→ 小児科診療所での時間外電話対応のさらなる充実(医師会対応)
・乳幼児健診の実施方法の工夫等による小児科医の負担軽減
→ 健診の集約化、健診対象者の見直しを市町で検討
(1)助産師確保対策事業
○「助産師の呼出待機手当(オンコール手当)の支援」
分娩の際の救急呼出に備えて、助産師が自宅等におい
て待機した場合に、待機1回につき手当を支給する診療 所に対し、その一部を助成する(なお、待機の日に実際
に呼出しのあった場合は、その日数を控除する。)。
→ 助産師の処遇改善を行い、分娩を行う診療所の助産師の確保を図る。
・事業主体:分娩を取り扱う中部保健医療圏の診療所 (1か所)
・補助率:1/2
・負担割合:県1/2、事業主体1/2
・補助対象経費:1診療所当たり助産師1名分の待機に対して支払う助産師の呼出待機手当
・算出内訳:5千円×365日×1/2×1診療所
=913千円
(2)中部保健医療圏の産科・小児科の医療体制検討事業
中部保健医療圏における、分娩を行う医療機関が減少等の産科医療の課題、及び、小児科医の不足による乳幼児健診を行う医師の確保が必要であること等の小児科の課題について、対策の実施状況や継続検討とされた対応策等について検討を行う。
<鳥取県中部保健医療圏の産科・小児科医療体制検討会>
○検討会の委員構成
中部医療圏の産科、小児科に関わる地元専門医、学識経験者(県立厚生病院、鳥取県中部医師会、鳥大、自治体、子育てに関わる方等) 13名程度
○継続検討とされた主なもの
・厚生病院産科・小児科医師の鳥取大学からの新たな応援と
それに対する支援
・乳幼児健診の集約化、健診対象者の見直し など
○所要経費:191千円
(3)産科医師確保対策事業等
○ 「鳥取県臨床研修医研修資金貸付事業」(別途予算要求)
→ 初期臨床研修修了後、県内の指定病院の産婦人科などの診療科で勤務する意欲のある者に対して研修資金を貸与し、研修修了後、知事が指定する病院の産婦人科などに一定期間勤務することを条件としてその返還を免除する制度し、県内に従事する産科医師などの確保を図る。
○「医師養成確保奨学金」の「地域枠」の免除対象の見直し
(制度要求)
→ 従前免除対象病院となっていなかった鳥取大学医学部附属病院での勤務(3年間のみ)について、産婦人科などの特定の診療科で勤務した者の奨学金の免除対象勤務とすることにより、県内産科医などの確保を図る。