1 事業の背景
●現状と課題
・中部地区管内は、農業生産額が多く、農産品の集出荷、選別、梱包等の施設が多数稼働。
・これら施設の機械設備は、県外メーカーが製造・設置したものがほとんどである。その特殊性からメンテナンス、修繕はメーカーが担当。
・県内企業は、生産コストの削減を図るため、工場閉鎖や海外移転を進めており、従来の下請企業は、苦境にあえぎ新規雇用を抑制。
・町工場(鉄工所)は、製造業をサポートする基盤工場であるが、不況と後継者不足により工場閉鎖を考える経営者が増加。町工場が減少すれば、製造業が求める少量生産、小規模修繕、試作品製造に支障をきたす。
2 対応策
【鳥取県産業振興条例を踏まえた県内事業者の活用】
●中部管内の町工場(鉄工所)が、農業施設等のメンテナンス、修繕に参入できる体制づくり
●農業団体、町工場、産業支援機関、行政機関によるネットワークの形成
●町工場の技術力を開示し、農業団体の信頼を獲得
●町工場が協力・団結し、リーダーとなる中核企業を育成
3 事業内容
(1)(公財)鳥取県産業振興機構に町工場の活性化を支援するコーディネーター1名を設置し、事業を推進。
・農業団体と町工場の現状把握(保有設備、受注可能性、町工場の技術力等を調査・把握)
(2)町工場活性化支援ネットワークの形成。
・農業団体、町工場、産業支援機関、行政関係者によるネットワークを形成し、意思疎通を図る。
(3)町工場の連携促進。
・町工場が連携し、受注体制を構築する。
4 要求額
(1)(公財)鳥取県産業振興機構への委託
委託料:4,407千円
《積算根拠》
・人件費:3,047千円
・活動費: 975千円
・その他: 385千円
(2)町工場活性化支援ネットワークの形成
(3)町工場の連携促進
・先進地企業見学: 20千円
5 期待される効果
【町工場】
(1)地域の技術レベルの向上、後継者の育成
(2)ヒト・モノ・カネの循環が地域経済を活性化
(3)メンテナンス受注により、安定した仕事量を確保
(4)受注量の増加にともない、工場増設、新規雇用、売上高の増加
(5)企業間連携により技術・受注残高の共有が可能
【農業団体等】
(1)施設管理費の削減・抑制が可能
→農家負担の軽減に寄与
(2)トラブル発生後、迅速な対応が可能
→発注者側の安心感を醸成
(3)地元企業が各施設・設備類を熟知することにより、素早い修理が可能
→気軽に相談や修理が依頼できる。
(4)生産性向上のためのアドバイスが町工場から受けられる。
→生産コストの低減に寄与
(5)交換部品の在庫削減
→棚卸し資産の軽減
※ このビジネスモデルを中部地区だけでなく、全県的な取り組みに拡大していく。