1 財政課長査定結果
〈ゼロ査定〉
預託先金融機関の経営状況分析が県のリスク回避につながるか、効果に疑問があります。
まずは、職員の研修受講等により知識の習得につとめ、経営分析の向上を図る取り組みから始めてください。
2 復活要求の内容
(1)金融機関の経営分析委託
公金の預託先金融機関の経営指標等を対象に定量分析及び 定性分析(ヒアリングを含む)を委託し、専門的見地からの当該金融機関の経営状況の評価内容を受け、預託先として妥当かどうかの判断材料とする。
■委託対象とする金融機関の絞り込み。(8行→3行程度)
・2行は毎年実施(指定金融機関、指定代理金融機関を予定)
・1行は原則として、預託総額が比較的多い金融機関を実施
■委託対象とするディスクロージャーの分析時期
・3月期決算、9月期決算の2回
■委託した監査法人の経営分析に係るノウハウ・情報等を蓄積し、自前での経営分析にも活用。
(2)庁内検討会への外部専門家の参加
金融機関の経営悪化が懸念される場合、会計局及び庁内関係部局長による公金保全検討会議を設置することとし、その際に、外部専門家からの助言、指導を受けるものとする。
〈検討事項の想定〉
・各部局の預託状況及び証書借入残高の把握
・預託期間及び預託金額の制限
・新規預託の停止の判断
・全額保護商品への移行 など
■破綻懸念時と破綻時の参加を想定(2回分)
3 復活要求の理由
(1)金融機関の経営分析委託
・歳計現金や基金などの公金の確実な保全(ペイオフ対策)を図るためには、預託先金融機関の財務諸表等を専門的かつ継続的に分析し、経営状況を的確に把握しておくことが必要となるが、これら金融機関の経営指標等は専門的部分が多く、適切な分析には相当高度な知識と経験が必要と言われている。
・査定のとおり、一義的には、自ら知識の習得に努めることが必要だが、これら専門的な財務状況を理解し、分析する手法を得るためには、監査法人等の専門機関から実地に即した説明を受けることが、より充実した情報を得て、理解を深めることにつながると考えられる。
・また、金融機関の経営状況の的確な分析は、公金管理に関する県の自己責任を前提とした危機管理的な取組であり、リスク回避につなげるためにも必要と判断される。
(2)庁内検討会への外部専門家の参加
・金融機関の破たん懸念等の有事の際には、庁内関係部局による迅速かつ適切な対応が求められるが、実際には、これまで経験したことのない対応が必要となることが想定される。
・そのため、経験豊富な専門家による客観的かつ公正な助言、指導のもとで、必要となる適格な対応を判断し、対処していくことが不可欠となる。
4 復活要求額
2,780千円
(1)金融機関の経営分析委託 2,520千円
(2)庁内検討会への外部専門家の参加 260千円
(参考)ペイオフ対策とは
平成14年4月の定期性預金のペイオフ解禁及び平成17年4月の流動性預金のペイオフ解禁により、無利息の流動性預金(以下「決済用預金」という。)を除く預金の全額保護措置が終了し、預金保険制度の保護対象が元本1千万円までとその利息となったことから、地方公共団体もより一層自己責任による公金の安全・確実な運用・保管をする必要が生じるもの。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・預託金の保全対策については、平成14年3月18日策定(平成17年3月18日一部改正)の公金保全対策方針に基づき行っているところ。
・公金の安全確保のためには、預託先金融機関の経営状況の把握が必要となるため、ディスクロージャー誌に記載される財務諸表等の把握及び金融機関からの個別指標の回答を取りまとめ経年数値の状況を調査しているところ。
これまでの取組に対する評価
・金融機関の財務諸表等の分析を的確に行うためには、公認会計士等の専門的知識を有することが必要となるが、本業務は従来から専門的知識がない者が異動により配置される。
・特に、金融機関の財務分析は業種に特有な部分が多く、分析にはかなりの知識と経験を有すると言われる。
・形式的な分析業務となっているのが現状である。