大手企業の国内事業の再編に伴い、昨年の三洋電機をはじめ県内からの撤退・縮小の動きが急となっており、県内の雇用情勢が一層厳しさを増し、労使紛争の更なる増加も懸念される。
こうした、厳しい経済情勢の中で当委員会で取り扱う案件も増加傾向が続いており、本年度上期で相談は139件(昨年度同期138件)、個別労使紛争あっせんは19件(昨年度同期15件)と昨年度の水準を上回る状況となっている。
当労働委員会の機能である紛争処理機能を一層強化し、当委員会の紛争処理機能を活用するよう周知するとともに、迅速、適正、適切な紛争解決が可能となるよう業務処理基盤を整備する。
(個別労働紛争あっせんの高い解決率(昨年度80%→本年度上期92%)の維持・向上)
(1)必要性
ア 平成23年度以降増加し、個別労使紛争相談、あっせん件数とも高い水準で推移
イ 限られた人員(委員、職員)できめ細かい対応の実施
→高い解決率(92%以上)に結びついている。
ウ 労働委員会の手続(サービス)について周知を行い、当委員会の手続利用による労使紛争の迅速、適正な処理を実施。
(当事者間での労使紛争の悪化、長期化を防ぐ)
エ 国内主要企業の再編に伴う県内事業所の縮小・撤退に伴い、厳しさを増す県内経済情勢
(当委員会への相談、あっせん件数の今以上の増加の懸念)
オ 今以上の件数の増加は、現体制ではきめ細かな対応が困難
カ 上記を支える基盤(人・物・情報基盤等)の整備が急務
(2)課 題
◎ 限られた人員(委員、職員)の改選(委員)、異動(職員)
労使紛争対応:知見、経験が不可欠
委員は2年に一度の改選(15名中3名〜5名程度の交代))
→ 新任の委員には、既にお持ちの知見に加え、複雑多岐にわたる事案に対応するため質の高い研修等が不可欠
ア 委員:任期2年
昨年5月の委員改選では、5名(労働者委員3名使用者委員2名) が新たに着任(次回は、平成25年5月に改選を控える)
イ 職員:2年〜3年の期間で異動
23年度は3人が異動、24年度は3人が異動
(1) 労使ネットとっとりPR(1,344千円)
新聞等に労使ネットとっとりの機能紹介、労使紛争の未然防止目的とし、年4回掲載
@320千円×4回×1.05=1,344千円
(2) 機能強化(2,247千円)
ア 研修による機能強化(1,671千円)
(ア) 個別的労働紛争処理関連研修(JIRRA):833千円
基礎研修・応用研修参加経費
a 委員研修:360千円
(委員改選に伴う新委員(3人)参加経費)
基礎研修 27千円×3人= 81千円
応用研修 23千円×3人= 69円
旅費(東京) 70千円×3人=210千円
b 職員研修:473千円
(人事異動による新規担当職員(基礎2人、応用3人)対応)
基礎研修 27千円×2人= 54千円
応用研修 23千円×3人= 69千円
旅費(東京) 70千円×5人=350千円
(イ) 労働法実務マスターコース受講(各講座各1人):520千円
@34,020円×5講座=170,100円≒171千円
旅費(東京) 70千円×5人=350千円
(職員の場合:旅費2万、役務費ANADesk5万)
(ウ) 中央講師による研修・フォーラムの実施:318千円
(委員・職員・一般参加者向け)(318千円)
謝金 3人×@12千円×3時間=108千円
旅費(東京) 70千円×3人=210千円
イ 労働法関係判例等の情報収集基盤整備(576千円)
(ア) 労働関係判例・命令・論説等の迅速な収集:152千円
インターネット判例・命令情報提供サービス契約料 月12,600円×12ヶ月≒152千円
(イ) 労働法関連参考文献購入:424千円
労働法基本書、事件対応参考文献を各委員等へ貸与
→ 迅速な事案への対応体制を構築
【労働関係基本文献】:94,500円
必要部数18
内訳(委員15、あっせん員候補者用3)
【事件対応用 参考文献】:328,860円
(4種(必要部数各18))
内訳(委員15、あっせん員候補者用3)