1 事業目的
中山間地域における猪・鹿の農産物等への被害額は依然として高い水準にあり、捕獲・殺処分される頭数も増加しているが、その大部分が廃棄されているのが現状。
それらの獣肉を高級食材のジビエとして有効活用し、精肉や加工品、飲食店でのメニュー等として売り出すため、平成24年5月に県東部1市4町の狩猟者、獣肉処理業者、食肉販売業者、飲食店などが連携し「いなばのジビエ連絡協議会」が設立された。
今後ジビエの普及、振興を進めていく上での課題となっている販路開拓や消費拡大に向けたプロモーションなどの業務を担当するコーディネイターを設置し、ジビエの活用を加速する事業を委託により行う。
※ジビエ(仏:gibier)=主にフランス料理での用語で、狩猟によって食材として捕獲された野生の鳥獣のこと。
2 現状
(1)協議会の概要
・ 平成24年5月17日発足 現在の会員数:38
・ 狩猟者から飲食店まで、県東部のジビエ関係者が連携した組織
・ 東部地域の1市4町、商工関係機関も協力して支援
・ 食肉処理業の許可を受けた獣肉処理施設 5施設(鳥取市:3、八頭町:1、若桜町:1)
・ ジビエメニューを提供する飲食店 9店舗
・ 事務局・・・株式会社ふるさと鹿野(鳥取市鹿野町)
(2)協議会の今年度の実績
5月 いなばのジビエ連絡協議会設立
(10月末現在の会員数38団体)
7月 兵庫県丹波市(株)丹波姫もみじの取り組みを視察
8月 いなばのジビエシンボルマーク及びキャラクターを作成
9月 鳥取市鹿野町の解体処理施設見学及び食の安全研修
10月 食のみやこ鳥取県うまいもんまつりへ出展
(ジビエカレー、猪肉の唐揚げ、鹿肉の竜田揚げなどを販売)
10月 いなばのジビエを味わう会を開催予定
設立総会他大小の会議を10月までに7回開催
(3)協議会で整理された課題
・ 猟師、解体処理者が少なく、捕獲資源を活用しきれていない
・ 解体処理施設が少なく、また既存の施設利用にさまざまな制限がある
・ 料理を提供できる飲食店が限られている
・ もともと食べる習慣がなく、馴染みが薄い
・ 獣肉に対する従来の悪いイメージがある「人からもらった獣肉は臭くておいしくない」
3 協議会の今後の取り組み方針
・ 処理施設の整備とともに、ジビエの提供ができる狩猟者および解体処理事業者を育成
・ 衛生管理ガイドラインに沿った処理を行い、品質保証の仕組みを構築 → いなばのジビエのブランド化
・ 各処理施設の連携による在庫状況の明確化と安定供給が可能な体制を整備
・ 総合調整窓口、販売促進活動が行える人材の確保
・ ジビエ料理を提供できる飲食店、販売できる加工品(革や角の活用も含む)を増やし、継続的なイベント、試食会等の開催
・ 県外も視野に販路開拓を進め、安定的な出荷先を確保
4 事業内容
「いなばのジビエ連絡協議会」に下記の業務を行うコーディネータを1名配置する。
(1)販路開拓・マッチング(猪・鹿肉、革、角など)
(2)猪・鹿の捕獲状況や精肉の在庫等に関する情報収集及び情報交換
(3)ジビエのイメージアップ及び消費拡大に向けたプロモーション活動
5 必要経費(内訳)
(1)人件費:2,977千円
・月給(通勤費割増含):(200千円+15千円)×12か月=2,580千円
・社会保険費:2,580千円×153.81/1000=397千円
(2)活動費(コピー代、郵送料、リース料、交通費等):1,118千円
合計 4,095千円