1 事業の目的
生活困窮者が、困窮状態から早期に脱却することを支援するための包括的な相談支援等の整備について、国庫補助事業(国10/10)を活用し、鳥取県社会福祉協議会に委託する。
(モデル事業の背景)
○急増する生活保護受給者、特に稼働年齢層の被保護者の増加に対応するため、国が新たな「第2のセーフティネット」として検討 したもの。
○国は先般の通常国会に「生活困窮者自立支援法案」を提出し、平成27年4月1日から各自治体に新たな生活困窮者相談窓口を設置することを法定化する見込みであったが、会期満了のため廃案となった。(秋の臨時国会に再提出の見込み)
○当該モデル事業は、法定化されるまでの間に実施し、効果・仕組み等を検討するもの
2 現状・課題
○福祉事務所への相談者のうち生活保護申請に至っているのは、概ね50%程度であり、申請を行っていない困窮者は困窮状態が継続していると考えられる。
| 相談実件数 | 申請件数 | 申請割合 |
22年度 | 2,184件 | 1,105件 | 50.6% |
23年度 | 2,166件 | 1,087件 | 50.2% |
(保護申請をしない主な理由)
・預貯金で当面生活できる。
・自動車を手放したくない。
・体裁が悪い。親族に知られたくない。
○現状では、そのような生活保護に至らない生活困窮者を支援する体制がないため、困窮状態を解消するに至っていない。
3 事業概要
(1)対象者
生活保護に至る前の段階の生活困窮者
(一部の事業は、生活保護受給者も対象とする)
(2)事業内容(予定)
| 事業名 | 委託先 | 概要 |
必須 | 自立相談支援モデル事業 | 県社協 | ・パーソナルサポートセンター設置
・相談支援、アセスメント、チーム支援の実施 |
任意 | 就労準備支援モデル事業 | 〃 | ・「福祉人材バンク」に登録し、ボランティア活動を通じた社会参加訓練を実施 |
〃 | 家計相談支援モデル事業 | 〃 | ・「生活福祉資金」、「権利擁護事業」を活用し、家計再建を実施 |
〃 | フードバンク事業 | 〃 | ・急迫した生活困窮者に余剰食料等を配布 |
〃 | 学習支援事業 | 〃 | ・教員OBのボランティアによる学習会、家庭教師の実施 |
(3)事業実施地域
鳥取県東部地域
4 事業費
委託料 20,000千円
委託先:鳥取県社会福祉協議会
財 源:国10/10(セーフティネット補助金)
5 鳥取県社会福祉協議会に委託する理由
○本県では小規模の福祉事務所設置市町村が多く、単独での設置は効率的ではない。また、生活困窮者の支援を行う民間団体もない。
○市町村(社会福祉協議会)との連携が取りやすい。
○各種福祉団体、福祉事業との連携が取りやすい。