1 事業概要
しいたけ、チョレイマイタケ、冬虫夏草など創薬や生薬に使われる薬用きのこの安定供給に向けた栽培技術の開発を(財)日本きのこセンターに委託し、県内での安定した栽培・生産に繋げ、鳥取発の新たなきのこ産業を創出する。
2 事業内容
○有用きのこの栽培実用化技術の開発(H25〜H27)
委託先:財団法人日本きのこセンター
事業期間:平成25〜27年度
委 託 費:12,000千円(人件費、研究費など)
⇒ 別途(緊急雇用基金)要求
区分 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 計 |
研究委託 | 緊急雇用基金
12,000千円 | 12,700千円 | 12,700千円 | 37,400千円 |
委託内容:新たな有用きのこの栽培技術の実用化に向けた基礎的な研究を行う。
○技術開発に必要な研究施設の整備(H25)
区分 | 補助内容 | 事業費 | 要求額 |
菌床栽培試験施設 1棟(140m2) | 補助率:1/2
事業主体:(財)日本きのこセンター | 千円
38,000 | 千円
19,000 |
3 研究内容
○薬用成分等の活用に関する研究(きのこ類の健康機能研究)
・きのこ類の健康増進に関わる生理活性物質の解析・分析
・期待される薬効成分(レンチナン、グアニル酸、エルゴチオネイン、エリタデニン等)
○生薬きのこの栽培実用化に関する研究(薬用きのこの基礎研究)
・きのこ生薬の原料となるきのこ類の遺伝資源及び栽培化の可能性研究
・研究対象(チョレイマイタケ、冬虫夏草、コフキサルノコシカケ、ブクリョウなど)
○食用きのこの栽培実用化に関する研究
・市場ニーズ等が高いと期待されるきのこ類を対象に研究
・鳥取県産スギオガ粉及びバーク等の地域資源を用いた商業生産技術の確立
・研究対象(アラゲキクラゲ、白色アラゲキクラゲ、ヤナギマツタケ、エリンギ、ウスヒラタケなど)
4 事業の背景等
○「きのこ」を活用した薬用について、企業と委託契約した取組が行われるなど、更に成長産業として期待されており、今後、(財)日本きのこセンターと製薬会社等とのマッチング支援。
[参考]レンチナンについては、企業と安定供給の契約を締結し、平成24年12月から椎茸(241号菌)を出荷(5t/年)。
○財団法人日本きのこセンターが所管する菌蕈研究所は、しいたけをはじめとする食用きのこ類の研究開発、普及及び人材育成事業を行っている全国唯一の試験研究機関。
・菌蕈研究所は、日本に分布すると推定されている約6,000種類のきのこの内2,500種類のきのこの分類同定を行うとともに、それらの乾燥学術標本2万5,000点を蓄積し、1,000種約1万菌株を遺伝資源として保存し、国内最大級。
○この貴重なきのこ類遺伝資源を活用して、薬用等の新たな産業的利用を図ることにより、鳥取発の新たなきのこ産業の創出を図るとともに、県内のきのこ生産者の栽培に繋げ、新たな収入源として地域の活性化を目指す。
5 効果
きのこ産業の創出を図るとともに、県内のきのこ生産者の栽培に繋げ、新たな収入源として地域の活性化が図れる。
・鳥取県が有する先進的な技術の発信
・蓄積された鳥取の遺伝資源が有効活用される
・針葉樹オガ粉等の産業廃棄物を活利用した再資源化菌床栽培の確立と事業化
・機能性食品の開発による新たな用途拡大と起業化
・きのこ産業の振興と新たな産業創出
・医薬品メーカーとの契約栽培による安定供給
製薬会社とのマッチング