マサバ
(1)マサバの種苗生産技術開発を委託し、安定した種苗生産技術の開発と種苗生産コストを算出する。
(2)井戸海水を用いたマサバの陸上養殖試験を実施し、最適な養殖手法を検討するとともに養殖に係るコストを算出する。2年目にあたる25年度は、酸欠の防止、衝突の防止、疾病の抑制を課題とする。
キジハタ
(3)閉鎖循環系の飼育手法でキジハタの養殖を実施し、最適な養殖手法を検討するとともに養殖に係るコストを算出する。初年度は採算性を検討するにあたって最重要と考えられる飼育密度について検討する。
区分 | 金額(千円) |
報酬 | 1,395 |
共済費 | 23 |
特別旅費 | 80 |
委託料 | 2,157 |
備品購入費 | 8,475 |
標準事務費(枠外) | 1,860 |
合計 | 13,990 |
鳥取県は日本海の荒波を防ぐ内湾が少ないこともあり、一部の海域を除き海面養殖を行うには厳しい環境となっているため、養殖を実施するには陸上で行うことが条件になってくる。
陸上の養殖は、海面養殖に比べて設備費がかかるなどの面はあるものの、波浪や高水温(井戸海水の使用が前提)、赤潮などの自然災害のリスクを大幅に軽減できるだけでなく、食の安全を確保するトレーサビリティを徹底することができるなど、経営の安定やこれからの消費者ニーズに応えることができる利点がある。
また、陸上養殖は海面養殖に比べ、安全性が高い、船舶が必要ないといった利点もある。
近年養殖サバは高値で取引されることから、九州や四国を主体に海面養殖が盛んになりつつあるが、種苗を天然に頼っていることから、海況に影響され、また寄生虫のリスクなど排除しきれないといった課題もあある。そこで、本県では人工種苗と陸上養技術の確立により、それらの問題を払拭し、他に無い新たな魅力のある養殖魚として優位性を示すことで、新しい陸上養殖魚種としての可能性を検討する。
キジハタは本県で栽培漁業の放流種苗用に種苗生産技術が開発され、種苗が潤沢にあること、高水温を好むことから廃熱利用などの観点から注目する企業もあり、低水温を好むマサバと対称になる魚種として考えられる。廃熱利用の観点から、立地を海辺に限定することが困難と予想されるため、閉鎖循環の飼育手法についてコストなどを算出し、陸上養殖魚種としての可能性を検討する。