事業目的及び内容
観光客や飲食店から需要の高い「活白イカ」について、漁獲した白イカ(標準和名:ケンサキイカ)が販売店に到着するまでに死んでしまわない管理方法をマニュアル化する。
漁船での取り扱い(水産試験場担当:単年事業)
釣獲後、漁船内でのイカの取り扱いや、魚艙(魚を活かしておく水槽)の水質などを調査し、改善方法を見出す。
陸上での取扱い(栽培漁業センター担当:H25-26年度事業)
水揚げ後の畜養用のモデル水槽を設置し、現状の畜養水槽と比較し、問題点や改良点を抽出し、理想的な畜養水槽を提案する。
簡易的な輸送方法の検討(栽培漁業センター担当:単年事業)
補助的なイカの輸送手段として活魚パックを用いた白イカの輸送について、適切なパック手法、輸送手法を検討する。
本試験は水産試験場と栽培漁業センター協働で行う。最終的には一連の技術としてマニュアル化し、活イカ安定供給の土台を作り、普及していく。
背景と問題点
・鳥取県産魚PR推進協議会では、「白イカ」を夏のブランドとして売り出し中。県外観光客等の認知度があり、飲食店等需要側からの活イカ供給のニーズは非常に高い。
・しかし、供給は県内2漁港の11隻のみであり、不足分は山口産など県外に依存されている。
・燃油高騰、魚価安、高齢化により沿岸漁業の経営は不安定であり、漁業者は水産物の付加価値の向上策を模索。
・活イカの供給増は需要・供給双方の利益が合致するが、現在、漁獲〜出荷まで確立された技術がなく、不十分。
・その活イカが安定して提供できない理由の主な原因は魚に比べ て弱く、扱いが難しいことにある。
・漁獲から出荷までどの段階で問題があっても活イカの提供はできないため、船上での取り扱い、陸上での備蓄での取り扱い、輸送技術について、技術を確立する必要がある。
必要性
・イカ類活魚の取り扱いは魚類に比べて難しく、歩留りは悪い
・全体を通して、取り扱い、収容量、水質管理の検討が必要で、漁業者単独での技術開発は困難であり、試験研究機関で調査し、マニュアル化が必要。
・漁業者自体も活魚出荷に取り組んだが、うまくいかなかった事例もあり、効率的な活魚出荷方法のマニュアル化の要望がある。
事業効果
・活イカの単価は鮮魚イカに比べて高く、活イカの取り扱いが増えると漁業者の収入増につながる
・新たな県産魚ブランドの創出と販売促進
・活イカ漁業の新規参入者が見込まれる
(活イカ取扱いマニュアルと講習会により活イカ出荷)
・これまで弱点であった活魚出荷の強化及び多様化
・鳥取道の全線開通による関西圏からの観光客増加に伴う県内産魚の消費拡大。
経費(水産試験場・栽培漁業センター合計)
区分 | 金額(千円) |
報償費 | 144 |
報酬 | 191 |
共済費 | 4 |
備品購入費 | 6,480 |
標準事務費(枠内) | 807 |
合計 | 7,626 |