事業名:
湖山池漁場環境回復試験
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水産振興局 栽培漁業センター 生産技術室
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
非常勤職員 |
臨時的任用職員 |
25年度当初予算要求額 |
9,024千円 |
11,916千円 |
20,940千円 |
1.5人 |
0.9人 |
0.0人 |
24年度当初予算額 |
7,414千円 |
7,241千円 |
14,655千円 |
0.9人 |
0.8人 |
0.0人 |
事業費
要求額:9,024千円 (前年度予算額 7,414千円) 財源:単県
事業内容
1 事業内容
「湖山池将来ビジョン」に基づく湖山川水門開放が、魚介類へ与える影響および水質の変化を把握するとともに、重要魚種の資源状況把握及び水産振興策としてのシジミ増殖策を検討する。
また、漁場環境の改善と造成を目的とした、安価な手法による覆砂の効果を検証する。
【調査方法】
<塩分導入影響調査>
○生物資源調査
- 定置網調査:池奥、池口、水門上下流に定置網を設置し、魚類相の変化を把握する。
- 曳き網調査(新規):池中央付近などに生息する魚介類の種類・数を把握する。
○水質調査
- 池内10カ所で週1回、水深別に塩分、水温、DOを測定する。
○操業野帳の記入
- ワカサギ、シラウオ、テナガエビの資源動向を把握する。
<シジミ増殖試験>
○産卵親貝の確保
- 親貝保護場に導入した親貝の斃死分を補充する。
- 直接放流による親貝場創出の可能性を検討する。
○調査
- シジミの産卵状況の把握。
- 池内の定点10カ所で採泥器により稚貝の発生・生き残り状況、底質を把握する。また、1定点に自記水質計を設置し、水質を常時観測する。
- 池内全体および湖山川のシジミの生息域を把握する。
- 稚貝の減少原因を検討する。
○シジミ増殖策の検討
<覆砂効果調査(新規)>
○覆砂の実施
○覆砂効果の把握
- 砂の拡散状況把握調査
砂の厚さの計測し、覆砂カ所の砂の移動等を把握する。
- 底質把握調査
泥分・強熱減量・硫化物・COD・酸化還元電位を測定し、底質環境改善効果を把握する。
- 底生動物調査等
ヤマトシジミ、多毛類など底生動物の現存量を測定し、底生動物の増殖効果を把握するとともに、シラウオ産卵効果調査およびテナガエビ増殖効果調査を行う。。
- シラウオ産着卵調査
産着卵数を計数し、産卵場造成効果を把握する。
- テナガエビ調査
エビカゴ等によりテナガエビを採捕し、テナガエビ増殖効果を把握する(委託)。
2 概要・背景
近年、湖山池はアオコや異臭の発生、漁獲量の減少など種々の問題が発生し、地位住民などから対策が求められている。
県は「水質浄化」と「豊かな生態系回復」を目的に、平成17年11月から平成23年度までを試験期間として、「塩分導入実証試験」を実施。
県と鳥取市は「湖山池将来ビジョン」を平成24年1月に作成し、湖山池の塩分濃度を東郷池並とすることが決定された。
これに基づき、平成24年3月から湖山川水門を開放。
水門開放が湖内の生態系へ与える影響の把握が求められている。
また、水門開放により塩分濃度が上がることから、漁業者よりヤマトシジミ資源の創出が求められている。
3 効果
<塩分導入影響調査>
- 湖内の塩分濃度上昇が池内の生態系へ与えた影響を評価できる。
- 湖内環境を改善する水門操作手法の検討が可能となる。
<シジミ増殖試験>
- ヤマトシジミの増殖手法の提示により、漁場づくりにつながる。
湖山池で生まれたヤマトシジミ
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<覆砂効果調査>
- ヤマトシジミの漁場が拡大される。
- テナガエビの産卵場及び育成場の改善により、資源回復が期待される。
- シラウオの産卵場造成効果による資源回復が期待される。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<取組状況>
・平成17年11月から実施されている塩分導入実証試験に対応して、湖山池及び湖山川水門上下流に於いて、定置網を用いて魚類相及び水質の変化を観測している。
・平成20、21年に発生した池内の臭対策のため、池内4カ所でフナ、ワカサギ及び底の泥を採集し、悪臭成分の量を測定し、発生場所の特定とその原因を調査。
・池内の塩分濃度が上がったことによりヤマトシジミの増殖が可能か検討
・湖山池内の漁業上重要資源であるワカサギ・シラウオ等の資源状況について調査を行った。
<現時点での達成度>
・魚類相及び水質調査・・・魚の種類は海産由来のものが若干増加傾向にあったがH22年、23年と減少した。
・水質は夏期に池底部で貧酸素層が発生する。
・ヤマトシジミ増殖試験・・・池内および湖山川で稚貝が育っていることが確認された。水門が開放されたH24年度は、特別に水門操作を行わなくても産卵することが確認された。
これまでの取組に対する評価
<自己分析>総評
・本試験により、塩分導入が湖内の環境や魚介類へ与えた影響を把握することが可能となった。
・ヤマトシジミの増殖については、稚貝が湖内及び湖山川で確認されたものの数が少なく、課題が残った。
<自己分析>各論
・水質調査・・・貧酸素水塊の動向がなどが明らかとなった。
・魚類相調査・・・湖内の魚類相の変化、重要資源の動向調査が明らかとなった。
・ヤマトシジミ増殖試験・・・稚貝の発生量を増やす方策の検討が必要。
・資源状況調査・・・重要資源(ワカサギ・シラウオ・テナガエビ)の基礎的(産卵場・時期など)なデータが取得できた。
工程表との関連
関連する政策内容
漁場(沿岸・内水面)環境の監視と保全技術の開発・普及
関連する政策目標
湖山池における漁場環境等の監視
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
7,414 |
653 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
8 |
6,753 |
要求額 |
9,024 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
7 |
9,017 |