背景・目的
鳥取県では「とっとり支え愛基金」を設けるなど、住民主導の支え愛活動を推進しており、見守り体制の整備や居場所づくり等の事業が地域において立ち上がってきている状況にある。しかし、現段階ではそれぞれの事業が単発の活動にとどまっており、また、医療、介護など公的な制度とのネットワークも不十分で、高齢者や障がい者等の地域における暮らしをトータルで支える体制が整っていない。
地域における支え愛活動は、住民の主体的活動だけに任せていると見守り活動など一部の活動にとどまり、その他地域に必要な支え愛活動は何かを把握し、支え愛活動をコーディネートする存在が必要になる。こうしたコーディネート活動は、市町村の社会福祉協議会、地域包括支援センター、社会福祉法人、地域振興協議会等が候補になるが、県内市町村では支え愛活動をコーディネートできている主体が存在しない。
また、支え愛活動は、医療、介護など公的制度とネットワーク化することにより、地域における包括的なケアシステムが構築されることになるが、その中心的存在である地域包括支援センターは、介護予防業務など既存の業務に忙殺され、ネットワーク構築に十分に注力できているとは言い難い現状にある。
このため、支え愛活動のコーディネートと医療、介護、支え愛等のネットワークを構築するため、国庫補助制度を活用する県内5市町村に対して、市町村相互の連携強化や職員の資質向上等を図り、支え愛ネットワーク構築へ向けての支援を行う。また、県内での普及促進へもつなげる。
内容
(1)支え愛ネットワークの構築
医療、介護、支え愛等のネットワークを構築する地域包括支援センター及び支え愛活動のコーディネートを行う主体(社協、地域包括支援センター等)に対し、ネットワーク構築を実現するための支援を行う。
ア 実施市町村及び実施主体の連絡会議の開催
事業を実施する市町村及び実施主体が連携を図り、互いに意見交換や情報共有を行い、課題解決、資質向上への協力・支援体制の場を作る。
【財源】 単県
【事業費】 60千円
イ 地域包括ケア先進地視察
実施市町村・実施主体が、県外の地域包括ケア先進地を視察し、自らの支え愛ネットワーク構築のための参考としてもらう。
【財源】 単県
【事業費】 600千円
※参考
支え愛ネットワークの構築に取り組む市町村は、国の安心生活創造事業(国10/10)で人件費補助を受け事業を展開。
| 事業内容 |
支え愛コーディネート (社協、地域包括支援センター) | ・地域における要援護者のニーズの把握
・要援護者をもれなくカバーする体制の構築
・地域の自主財源の確保 |
(2)地域ケア多職種協働推進
●地域包括ケア連続講座の開催
地域包括支援センター職員を対象に、地域包括ケアへの理解と実践力を高めるための連続講座を行う。
【財源】 国10/10
【事業費】 905千円
(3)地域包括ケア研究会の設置
学識経験者、介護、医療、地域福祉関係者、行政等のメンバーで構成され、モデル事業の支援、地域包括ケアの理念普及のための県民フォーラム、介護保険第6期以降を展望した地域包括ケアの検討、調査等を行い、鳥取県での地域包括ケア体制の構築を目指す。
【財源】 単県
【事業費】 3,040千円
所要額
4,605千円
※事業の実施については、地域包括ケア推進事業と一体的に実施。