事業の背景
高タンパク質粗飼料としてアルファルファが広く利用されているが、国内栽培は困難なため、多くは輸入に頼っている。低コストで安定供給可能なアルファルファ代替飼料が望まれている中、国内生産可能な高タンパク質粗飼料として飼料用ダイズが注目されつつある。
また、牧草に比べ栄養価が高く、濃厚飼料の使用量を減らせるなどの利点をもつトウモロコシは、飼料として人気が高く、近年栽培面積が増加している(平成21年787ha→平成23年891ha)。一方で水田転換畑での作付けは収量にバラツキが大きく、平均収量は目標の6〜7割程度であり、改善を要する。
事業の目的
これまで飼料作の栽培法については、生産者の多くを占める畜産農家の労力等の制約もあり、詳細な検討は行われなかった。
水田転換畑における飼料作において、技術的隘路とされる、施肥改善および排水対策、作業の効率化等(平成25年度鳥取県自給飼料増産行動計画)について、水田における各種作目の研究実績を有する農業試験場での解決を試みる。
なお、品種の選定、飼料としての品質評価等については畜産試験場と連携する。また、飼料用ダイズ栽培について、効率的に試験を遂行するために研究が先行する独立行政法人東北農業研究センターと密接な情報交換に努める。
事業の内容
1.飼料用ダイズ栽培技術の確立
飼料用ダイズに関し、食用ダイズ栽培の知見を応用し、本県に適した栽培技術について検討を行う。
2.飼料用トウモロコシの高位安定生産技術の確立
目標収量 5t/10a、安心して給餌できる品質が確保できる栽培法を検討する。
事業の効果
(1)飼料用ダイズの栽培技術の確立により、水田活用による高タンパク質粗飼料の安定供給につながる。
(2)飼料用トウモロコシの肥培管理技術の改善により、多収・安定化が可能となる。
(3)飼料用ダイズの安定供給と飼料用トウモロコシの多収・安定化により、自給飼料の割合を増やすことが可能となり、飼料コストの低減が図られる。
(4)飼料用ダイズ及び飼料用トウモロコシへの耕種農家の参入により、耕畜連携が強化される。
事業実施期間及び経費
| 期間 | 内容 | 経費 |
H26 | H27 | H28 | H29 |
飼料用ダイズ栽培法確立試験 | H26〜29 | アルファルファ代替として有力視される飼料用ダイズ栽培に関し、食用ダイズ栽培の知見を応用し、本県に適した栽培技術について検討を行う。 | 4,219 | 2,059 | 2,059 | 2,059 |
飼料用トウモロコシ施肥改善試験 | H26〜29 | 飼料用トウモロコシ栽培に関し、増収に効果的な施肥時期を検討する。肥効調節型肥料を活用し、効率的な省力施肥方を実証する。 |
| | | 4,219 | 2,059 | 2,059 | 2,059 |