概略説明
ナシ、スイカ、ネギなどの本県特産園芸作物において問題となる病害虫等に対して 農薬登録を促進するため、鳥取県植物防疫協会の農薬及び植物調節剤等の委託試験を受託し、薬剤の防除効果・薬害等の確認試験を行う。
1 試験の必要性
(1)新規薬剤を使用するためには、国の農薬登録が必要であり、これには公的機関等の薬効・薬害試験結果が必要である。
(2)本県で問題となる病害虫等の防除対策を確立するためには、まず、農薬登録された薬剤が必要である。
(3)近年、薬剤抵抗性病害虫、ネギのアザミウマ類等が問題となっており、これらの防除薬剤に対する現場要望が高い。
(4)そこで、新規薬剤等の農薬登録に必要な試験を行い、登録促進を図る。
2 試験の内容
以下の病害虫等に対して、新規薬剤の防除効果・薬害確認試験等を行う予定。
・スイカつる枯病、スイカうどんこ病、アブラムシ類、ハダニ類
・ネギさび病、ネギ黒斑病、ネギアザミウマ、ネギハモグリバエ
・ナシ黒斑病、ナシ黒星病、カイガラムシ類、ハダニ類
・ブロッコリー、ラッキョウ、ナガイモ、ホウレンソウの病害虫等
3 試験の効果
(1)有効薬剤の農薬登録により、薬剤の早期実用化が図られる。
(2)JA等の防除暦編成のための資料となる。
→各園芸作物の重要病害虫を効率的に防除できる防除指針及び防除暦等の作成
4 これまでの成果
本県特産園芸作物で問題となる病害虫等を対象として、新規薬剤の農薬登録の促進を図ってきた。
5 平成25年度の試験内容
受託した殺虫殺菌剤及び除草剤等の防除効果や薬害の有無を判定し、成績書を作成する。
6 平成25年度要求額内訳(単位:千円)
内容 | 要求額 |
旅費 | 165 |
栽培資材・試験資材購入費等 | 5,073 |
合計 | 5,238 |
7 受託元及び事業実施期間
受託元:鳥取県植物防疫協会
事業実施期間:継続調査
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
H25工程表政策目標
安全・安心、高品質な農産物の生産技術の確立
・果樹及び野菜の主要病害虫に対する新規有効薬剤を明らかにする。
<取り組みの内容>
・平成10年度から継続実施している。
・果樹では、ナシ、ブドウ、カキ、ウメの病害虫に対する防除効果の高い新規有効薬剤が明らかになっている。
・野菜ではスイカ、ネギ、ブロッコリー、ラッキョウ、ナガイモ、メロン、トマトの病害虫に対する防除効果の高い新規有効薬剤が明らかになっている。
これまでの取組に対する評価
<外部評価>
本県特産園芸作物であるナシ、ブドウ、カキ、ウメ、スイカ、ネギ、ブロッコリー、ラッキョウ、ナガイモ、メロン、トマト等において、防除効果の高かった薬剤を防除暦、防除指針等に採用し、生産者や指導者に利用されている。
<自己分析>
・化学農薬に代わる病害虫防除技術についても他の事業で検討しているが、これまで確立された技術は限られており、現在でも果樹・野菜の高品質・生産安定には化学農薬が不可欠である。
・実際に、これまで明らかになった有効薬剤は現地で広く利用されている。
・今後の園芸作物の病害虫防除では、農薬代替技術と化学農薬をうまく組み合わせた防除体系を組み立てることが重要である。
<改善点>
・微生物、天敵等を利用した環境にやさしい農薬について、積極的に取り組む。