事業概要
平成30年度に鳥取県の生乳生産量を62,000tにするため、大山乳業農協が緊急的に乳用牛を導入する事業に対し融資する。
背 景
■県内酪農を取り巻く環境の悪化により、10年後には農家戸数、成牛頭数はそれぞれ40戸減、2,000頭減となり生乳生産量も現状の58,000tから48,000tと大きく減少する見込み。
■県内育成牛は、主に自己牛の更新用に飼育されており、早期に県内乳牛頭数を増加させるためには、緊急的に県外(北海道)からの乳牛の導入が必要である。
■大山乳業農協等酪農に関連する業務に関わる雇用者は約700人であり、このまま生乳生産量が減少すると雇用に大きく影響することは必至。
■大山乳業農協は県内唯一の酪農組合であり、そのブランドである「白バラ牛乳」ブランドは関西圏のみならず首都圏でもその味、安全性の面から大いに支持されている。
■「白バラ牛乳」ブランドで鳥取県をPRするために、アイスクリーム等の乳製品を活用して県内各地の農産物の売り込みやロシア・中国等への輸出により更にブランドを広げていく上で、生乳生産量の落ち込みは致命的。
■そこで県、大山乳業農協と有識者で「やらいや酪農プロジェクト」を立ち上げ、鳥取県酪農振興プログラムをつくり、県内の今後の酪農のあり方やブランド化の強化について検討しているところ。
事業内容
(1)大山乳業農協へ資金を貸付。
(2)県1/2、大山乳業1/2の資金で大山乳業が乳用種育成牛(10ヶ月齢)を県外等から購入し、育成後農家に預託貸付する。
(3)事業終了後、貸付金を県に全額返還する。
(4)分娩2回までに生じた育成経費のうち、リスク部分については実経費の1/2補助する。
○基金運用の仕方
(1)購入した乳用種育成牛に和牛受精卵移植を実施し、分娩2ヶ月前まで県内放牧場等で育成。
(2)(1)の牛を農家に貸付け(預託)、購入金額と育成等に要した金額を農家が基金に返納(初産の和牛受精卵移植産子、2産目の和牛産子等の販売代金で差し引くことも可能とする(子返し))。
※基金による妊娠牛の預託とし、子返しも可能とすることで、返還額の圧縮を図る。
(3)上記(1)〜(2)を繰り返すことで県内搾乳牛を平成28年度に成牛を350頭増頭し、平成30年度に県内生乳生産量を62,000tに増加。
事業実施期間
平成24年度〜平成29年度
(貸付期間は平成30年度3月31日まで)
※事業終了後、全額県に返還する。
要求内容
助成事業
平成26年度: 4,200千円
(42千円×100頭)
分娩2回までに生じた受精卵移殖等の育成経費増加分や、育成段階での死亡・長期未受胎について1/2を助成。
対象となる育成経費
育成段階
ア 不受胎等による育成期間延長の経費
イ 受精卵移植等の際の不受胎等による経費
ウ 育成途中での死亡による損失
農家預託段階
ア 疾病・流死産など共済対象外経費
イ 2産目の受精卵移植等の際の不受胎による経費
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
当初、北海道で育成牛を購入する予定であったが、北海道の仔牛市場相場が高騰していたため、県内仔牛の購入へ切り替えることとした。
H24年度は30頭、H25年度10月現在で56頭の計86頭の育成牛を買い上げ、北海道と県内育成牧場で育成中である。
H25年8月から、育成していた乳牛が県内酪農家へ預託されている。
(H25年10月現在で5頭)
これまでの取組に対する評価
H24年度は導入計画100頭に対し30頭の実績であったが、H25年度は概ね計画どおりとなっている。