1事業の概要
高性能林業機械の稼働率を向上させるための新たな作業方法を提案するとともに、現地モデル試験による検証を行う。
2背景と目的
県内の高性能林業機械(特に造材・運材作業用)の導入台数が年々増加している。高性能林業機械は1台当たり数千万円と高額なため,導入すると導入以前に比べ経費が増加する。高性能林業機械を導入して利益を出すには年間4千立米以上の木材生産量が必要となる。しかし,実際には必要量を達成してしている事業体は少ない。その原因として,木材の伐採搬出作業は,伐採作業,集材作業,造材作業など複数の工程で構成されているため,作業効率の高い高性能林業機械を導入しても他の工程の作業が追いつかないことから高性能林業機械の稼働率が低下しているためと考えられる。
2事業の成果
伐木作業を2人1組作業とすることで生産性が向上し,高性能林業機械の稼働率が上がる。造材機械に集材機能(ウインチ)を付加させ,集材と造材作業を同時に行った。その結果,作業道からみて谷側18m、山側49m(路網間隔67m、路網密度150m/ha)の範囲で集材と造材を行ったときに高性能林業機械を効率的に稼働させることができる。同時に,従来方法に比べ,作業機械を1台減らすことができるので,経費の削減も図られる。
木寄を行いながらの造材作業では無く、伐採、木寄せを事前に行い造材作業を分離して行った結果、機械の持つ能力を効率よく発揮できる。これを取り入れた伐採搬出システムを構築する必要がある。