これまでの取組と成果
これまでの取組状況
1.目標
鳥取県産花きのブランド化を図り、県内の花き産地を振興するため、バイテクにより、本県独自のリンドウ、ユリ及び鑑賞用ラッキョウ等のニューアイテムを開発する。
2.取組状況及び現時点での達成度
ア.「盆咲きリンドウ」 進捗率40%
交配親を作出するため、現地から収集した優良系統から交配親候補を12系統選抜した。交配親の組合せ検定を実施し、4系統を試作し、養成中である。
イ.「花の日持ちの良いリンドウ」 進捗率45%
優良系統の四倍体の四倍体と二倍体の交配により得た雑種を特性調査するため増殖中である。
ウ.「秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリ」 進捗率 75%
シンテッポウユリとタカサゴユリの雑種から9月以降に開花した系統を選抜し、草姿の改良を実施中。
エ.「球根養成期間の短いユリ新品種の開発」 進捗率 85%
シンテッポウユリ×ヒメユリ等の遠縁交雑種から花の形状が良好で、繁殖から1年以内に80%以上開花する1系統を秋冬出荷作型で評価し、現地試作中である。
オ.「観賞用ラッキョウ」進捗率100%
新品種‘プリティルビー’を開発し、その特性を明らかにした。
新たに、白色及び桃色の2系統を種苗登録出願中
これまでの取組に対する評価
平成23年度外部評価(9月15日)
1 評点(中間評価)
研究の必要性 5.00
研究の妥当性 4.40
研究の効果 3.60
総合評価 ◎
2 主なコメント
スピードのある研究体制を作って進めてほしい。
市場開拓、市場を海外へ求めるなど、産地形成と市場をつなぐ研究も必要
平成24年度 園芸試験場研究推進会議(7月13日)
○リンドウ関係
・リンドウの需要期である盆咲き及び彼岸咲きのうち、まず盆に出荷できる品種が欲しいので、盆咲きを目標とした品種育成を進めて欲しい。
・リンドウの用途が以前は仏花、現在は花材のメインのひとつとなってきている。産地として一定の数量を出荷できるようになることが必要。現地で試作中の系統は有望と思われるので、早めに生産者に出して欲しい。
○ユリ関係
・シンテッポウユリの秋冬出荷栽培では採花率が安定していなくて生産者は困っているので、育成中のシンテッポウユリで採花率が向上および安定することに期待している。
・生物工学研究室の育種系統については、早く生産者に出して現地での評価を進めるべき。種苗法も改正されて品種登録手続きの半年前なら、市場出荷しても問題ないので、総合的な視点に立って事業を進めて欲しい。
平成25年度 園芸試験場研究推進会議(7月12日)
○リンドウ関係
・花き研の育成系統を試作しているが、少し草丈が低いが総合的に見て良いとは思う。
○ユリ関係
・シンテッポウユリ主要品種の種子が入手困難となり、非常に困っている。
・小球開花性ユリについては、出来るだけ早く商品化することを勧める。他からたくさんユリ品種は出てきているので、とにかくいち早く出すことが重要なのでは。面白いとは思うので、「りん片から1年で開花」ということを整理して勝負した方が良いと思うし、出来るだけ早く生産者・消費者に届けていくことも大切と考える。