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平成26年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

バイテクによる花きニューアイテムの開発

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農林水産部 園芸試験場 生物工学研究室  

電話番号:0858-23-1341  E-mail:zaisei@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
26年度当初予算額 1,397千円 8,513千円 9,910千円 1.1人 0.4人 0.0人
26年度当初予算要求額 1,397千円 8,513千円 9,910千円 1.1人 0.4人 0.0人
25年度当初予算額 1,397千円 9,533千円 10,930千円 1.2人 0.4人 0.0人

事業費

要求額:1,397千円  (前年度予算額 1,397千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:1,397千円

事業内容

概略説明

バイテクにより、本県独自のリンドウ、ユリ及び鑑賞用ラッキョウ等のニューアイテムを開発し、鳥取県産の花きのブランド化を図ることにより、県内の花き産地を振興する。

1 事業の必要性

県内の花き生産者より、鳥取県の気候風土に適した独自の新品目を開発し、ブランド力を強化することが望まれている。


    リンドウ 
     リンドウは中山間地の水田転作品目として栽培されている鳥取県の主要な切花である。鳥取県のリンドウ産地には需要の多い盆に安定出荷できる有力な品種がない。また、他産地との競合が激化するなかで、消費者に喜ばれる高品質なオリジナルリンドウが求められている(頂部の花の着色が良い、花色が濃青色、花の日持ちが良い等)。
    ユリ
     シンテッポウユリは種子から切り花生産できるユリである。鳥取県では高値で安定している9月から年末にかけて出荷するオリジナルの秋冬出荷作型を開発し、スイカの後作として生産が伸びてきている。しかし、秋冬出荷作型で安定して出蕾する品種がなく、採花率が低い。このため、秋冬出荷作型に適した品種の開発が求められている。
     球根繁殖性のユリは、花色及び花形が多彩で、用途も多様で、消費の多い品目である。しかし、球根の養成期間は3〜5年と長いため、種苗費が高い。そのため、種苗の養成期間が短く、増殖から1年以内に開花する品種を開発する。

2 事業の内容

リンドウ
「盆咲きリンドウの開発」(花き研究室)
 盆に出荷可能で、頂花咲きに優れ、花色の濃い優良品種を開発する。
「花の日持ちがよい三倍体リンドウの開発」(生物工学研究室)
 バイテクにより作出した優良個体の四倍体と二倍体を交配して、三倍体を作出し、花の日持ち性を改良する。
ユリ
「秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリ新品種の開発」(花き研究室)
 シンテッポウユリに彼岸に開花するタカサゴユリを交配し、秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリを開発する。
「球根養成期間が短いユリの開発」(生物工学研究室)
バイテク手法を用いて、球根繁殖性のユリに種子から1年以内に開花するシンテッポウユリを交配し、種球の養成期間が短い有色の新品種を開発する。

3 事業の効果

需要期に高品質な切花の安定出荷が可能となり、生産者の所得安定につながり、産地の活性化が期待される。
特色あるオリジナル品種を出荷することにより、競合他産地との差別化による有利販売ができる。
消費者に対する鳥取県産品のPRが可能となり、鳥取県産品の消費拡大につながる。
消費者がより高品質な切花を観賞することが可能となる。

4 これまでの成果

リンドウ
「盆咲きリンドウの開発」
花色が濃く、頂花咲きが比較的優れる交配親候補を選抜し、それらから雑種を作出した。また、選抜した優良系統4系統について現地試作を行っている。
「花の日持ちがよい三倍体リンドウの開発」
リンドウの染色体倍加技術を開発し、現地から収集した優良個体の四倍体を作出した。この四倍体を用い、二倍体との交雑により三倍体を作出し、その三倍体の特性を現在解明中。
ユリ
「秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリ新品種の開発」
シンテッポウユリとタカサゴユリとの雑種を作出した。また、有望系統を選抜・交配し、短日条件(彼岸以降)でも採花率が高く、形質のよい11系統を選抜した。
「球根養成期間が短いユリの開発」
バイテク手法によりヒメユリ等とシンテッポウユリとの雑種約4000個体を作出した。この中から平成25年度は新花色である橙花色5系統及び白色系2系統を一次選抜した。また、秋冬出荷作型適性が高く、花色濃く、品質に優れる黄花1系統の現地試作を検討中。

5 平成26年度の試験内容

リンドウ
「盆咲きリンドウの開発」
選抜した優良系統の現地試作を継続調査するとともに、より高品質な盆咲き系統作出のための交配組合せを明らかにする。
「花の日持ちが良い三倍体リンドウの開発」
四倍体と二倍体との交雑により作出した三倍体の特性調査
ユリ
「秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリ新品種の開発」
選抜個体をもとに人工交配を行い、形状や品質の揃いが良く、秋冬出荷栽培の作型で開花する優良個体を選抜し、さらに品質の改良を図る。
「球根養成期間が短いユリの開発」
新規花色系統の作出及び増殖から1年以内に高率に開花する系統を選抜を進める。
有望系統の実用性を現地で評価するとともに、生理生態的特性を明らかにする。

6 平成26年度要求内訳(単位:千円)

内訳
要求額
(千円)
会議、学会等への出張費
150
組織培養及び栽培管理費(資材、試薬等)
1100
現地栽培試験委託料
  97
通信運搬費
50
合計
1397

7 事業実施期間

年度
事業内容
事業費
(千円)
19〜25年度リンドウ
・「盆咲き〜彼岸咲きリンドウ」
 優良個体の収集、
 交配親となる固定系統の作出
 交配組み合わせの検定
 現地実用性評価
・「花の日持ちが良い三倍体」
 優良系統四倍体の作出
 作出した四倍体と二倍体の交配
ユリ
・「秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリ」
 交配親の収集、雑種の作出及び選抜
・「球根養成期間が短いユリ」
 雑種の作出及び選抜
 自然開花条件での小球開花性評価
 9,697
26年度リンドウ
・「盆咲きリンドウ」
 優良個体の収集、
 交配親となる固定系統の作出
 交配組み合わせの検定
 現地実用性評価
・「花の日持ちが良い三倍体」
 三倍体の特性評価
ユリ
・「秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリ」
 選抜系統の形質の改良
・「球根養成期間が短いユリ」
 新規花色系統の作出及び選抜
 秋冬出荷栽培での特性評価
 現地実用性評価
1,397
27〜28年度リンドウ
・「盆咲きリンドウ」
 固定系統の作出及び交配組み合わ せの検定
 育成系統の現地実用性検定
・「花の日持ちが良い三倍体」
 三倍体の特性評価、
 現地実用性評価
ユリ
・「秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリ」
 選抜系統の形質改良及び特性評価
 実用性評価及び現地試作
・「球根養成期間が短いユリ」
 秋冬出荷作型での特性評価、
 現地実用性評価
2,794
     合計
13,888

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

1.目標
 鳥取県産花きのブランド化を図り、県内の花き産地を振興するため、バイテクにより、本県独自のリンドウ、ユリ及び鑑賞用ラッキョウ等のニューアイテムを開発する。

 2.取組状況及び現時点での達成度
ア.「盆咲きリンドウ」 進捗率40%
交配親を作出するため、現地から収集した優良系統から交配親候補を12系統選抜した。交配親の組合せ検定を実施し、4系統を試作し、養成中である。
イ.「花の日持ちの良いリンドウ」 進捗率45%
優良系統の四倍体の四倍体と二倍体の交配により得た雑種を特性調査するため増殖中である。

ウ.「秋冬出荷栽培に適したシンテッポウユリ」 進捗率 75%
  シンテッポウユリとタカサゴユリの雑種から9月以降に開花した系統を選抜し、草姿の改良を実施中。
エ.「球根養成期間の短いユリ新品種の開発」 進捗率 85%
  シンテッポウユリ×ヒメユリ等の遠縁交雑種から花の形状が良好で、繁殖から1年以内に80%以上開花する1系統を秋冬出荷作型で評価し、現地試作中である。

オ.「観賞用ラッキョウ」進捗率100%
  新品種‘プリティルビー’を開発し、その特性を明らかにした。
新たに、白色及び桃色の2系統を種苗登録出願中

これまでの取組に対する評価

平成23年度外部評価(9月15日)
 1 評点(中間評価)
    研究の必要性 5.00
    研究の妥当性 4.40
    研究の効果   3.60
    総合評価    ◎
 2 主なコメント
  スピードのある研究体制を作って進めてほしい。
  市場開拓、市場を海外へ求めるなど、産地形成と市場をつなぐ研究も必要

平成24年度 園芸試験場研究推進会議(7月13日)
○リンドウ関係
・リンドウの需要期である盆咲き及び彼岸咲きのうち、まず盆に出荷できる品種が欲しいので、盆咲きを目標とした品種育成を進めて欲しい。
・リンドウの用途が以前は仏花、現在は花材のメインのひとつとなってきている。産地として一定の数量を出荷できるようになることが必要。現地で試作中の系統は有望と思われるので、早めに生産者に出して欲しい。
○ユリ関係
・シンテッポウユリの秋冬出荷栽培では採花率が安定していなくて生産者は困っているので、育成中のシンテッポウユリで採花率が向上および安定することに期待している。
・生物工学研究室の育種系統については、早く生産者に出して現地での評価を進めるべき。種苗法も改正されて品種登録手続きの半年前なら、市場出荷しても問題ないので、総合的な視点に立って事業を進めて欲しい。

平成25年度 園芸試験場研究推進会議(7月12日)
○リンドウ関係
 ・花き研の育成系統を試作しているが、少し草丈が低いが総合的に見て良いとは思う。
○ユリ関係
・シンテッポウユリ主要品種の種子が入手困難となり、非常に困っている。
・小球開花性ユリについては、出来るだけ早く商品化することを勧める。他からたくさんユリ品種は出てきているので、とにかくいち早く出すことが重要なのでは。面白いとは思うので、「りん片から1年で開花」ということを整理して勝負した方が良いと思うし、出来るだけ早く生産者・消費者に届けていくことも大切と考える。

工程表との関連

関連する政策内容

オリジナル品種・高付加価値化技術開発

関連する政策目標

特徴ある鳥取オリジナル品種の育成


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 1,397 0 0 0 0 0 0 0 1,397
要求額 1,397 0 0 0 0 0 0 0 1,397

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 1,397 0 0 0 0 0 0 0 1,397
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0