現在の位置: 予算編成過程の公開 の 平成26年度予算 の 農林水産部の市場競争力のある鳥取オンリーワン園芸新品種の育成
平成26年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

市場競争力のある鳥取オンリーワン園芸新品種の育成

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農林水産部 園芸試験場 花き研究室  

電話番号:0858-37-4211  E-mail:zaisei@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
26年度当初予算額 1,333千円 5,417千円 6,750千円 0.7人 0.5人 0.0人
26年度当初予算要求額 1,333千円 5,417千円 6,750千円 0.7人 0.5人 0.0人
25年度当初予算額 1,333千円 4,766千円 6,099千円 0.6人 0.5人 0.0人

事業費

要求額:1,333千円  (前年度予算額 1,333千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:1,333千円

事業内容

概略説明

本県特産の園芸作物は産地間競争が激化するなか、独自品種による高品質・生産安定が急務となっている。そこで、本県産園芸作物のブランドアップと栽培が簡素化できる本県独自の優良品種を育成し、生産者所得の向上と鳥取県園芸の発展に資する。

1.事業の必要性

(1)食の多様化が進む中、消費者は園芸作物に「食味」や「香り」、「安全性」のほかに「機能性」を求めている。
(2)生産者は有利販売と生産性向上ために「鳥取の顔となる品種」、「他のどこにもない品種」、「作りやすく儲かる品種」を求めている。
(3)消費者、生産者のニーズにともに応え、また本県の園芸作物をブランド化するため、独自の優良品種育成が必要である。産地間競争激化の中にあって、独自ブランドの育成が急がれる。
(4)あらゆる地域で育種は進んでおり、鳥取県にしかない園芸品種は本県で育成する必要がある。
(5)これまでの育種資源を有効に活用し、早期に新品種を育成する必要がある。

2.事業の内容とH26年の試験内容

ナシ
事業の内容
・有望系統の特性調査
これまでの
成果
・平成19年〜21年に「なつひめ」、「新甘泉」等7品種を品種登録した。平成24年までに優良系統6系統を植付けた。
H26年の試験
・優良系統の特性を調査する。
    カキ
    事業の内容
    ・西村早生、伊豆に代わる優良な早生甘カキ品種の育成
    これまでの
    成果
    ・早生の甘柿「輝太郎」が品種登録となった(平成22年3月)。
    ・大玉の甘柿「園試B系統」の現地試験を行っている(県内15カ所)。平成24年には15系統が結実し調査を行った。そのうち1系統は極早生の系統である。
    ・成木に新たに11系統を高接ぎし、選抜を開始した。
    H26年の試験
    ・育成系統の特性調査を行い、選抜をすすめる。
    ブドウ
    事業の内容
    ・皮ごと食べられる盆前出荷品種の育成
    これまでの
    成果
    ・果皮が黄緑色、糖度18度以上、果粒重が10g以上の優良個体が4個体得られた。
    H26年の試験
    ・引き続き、地植え栽培での特性調査を行い選抜をすすめる。
    イチゴ
    事業の内容
    ・冬季寡日照条件下で高糖度、早生多収品種の育成
    これまでの
    成果
    ・開花が早く、収量性が優れ食味の良好な1系統を選抜した。
    H26年の試験
    ・選抜した系統の栽培方法の検討、現地適応性を確認するとともに、新たに交配を進め選抜を行う。
    スイカ
    事業の内容
    ・黒点根腐病および つる割耐病性台木育成
    ・育成系統の栽培実用性検定
    これまでの
    成果
    ・つる割れ耐病性選抜系統「どんなもん台」が品種登録され、県内スイカ産地に導入された。
    ・つる割病、黒点根腐病に耐性が認められる系統を選抜した。
    H26年の試験
    ・交配による系統育成、選抜を引き続き行うとともに、つる割病および黒点根腐病に耐性が認められた系統の実用性を検定する。
    シバ
    事業の内容
    ・耐病性で生育が旺盛なコウライシバ品種の育成
    これまでの
    成果
    ・ノシバ「グリーンバードJ」が品種登録となった(平成25年2月)。
    ・現在、栽培希望のある県内シバ生産組合8社と試験栽培契約を締結し、現地における生育調査を行っている。
    コウライシバは、生育が旺盛な5系統について現地特性を調査中。その中から、初冬でも葉色が濃い系統と、株張りが早い系統が有望と判断した。
    H26年の試験
    コウライシバ・・・耐病性系統の評価と現地生育特性の年次調査を行う。
実つき枝物
事業の内容
・枝姿が優れ、実数が多く、本県で確立した樹形管理で多収となる品種の育成
これまでの
成果
ノイバラツルウメモドキ・・・実が大きく実数が多く、早熟な数系統を有望と認めた。品種登録準備中。
サルトリイバラ・・・県内自生種の中から、棘が極めて少なく、実が大きく、実数が多い系統を選抜した。
H26年の試験
ノイバラツルウメモドキ・・・品種登録に必要な経年特性を継続調査する。
サルトリイバラ・・・生育特性を調査し、高接ぎなど圃場での増殖法を検討する。
白ネギ坊主不知
事業の内容
・再分げつ(株分かれ)が遅い、高品質・多収品種の育成
これまでの
成果
交配母本として現地優良5系統収集し、 ウイルフリー化注1を行った。H25にはこれらの交配種子から育成した3系統の1次選抜を行った。
H26年の試験
選抜した系統の実用性について特性調査を行い、更に選抜を進める。
注1:ウイルスフリー化
 坊主不知は、ネギ坊主が出来ない(花が咲かない)ので、種子がとれない。従って、株分けで増殖するが、元の株がウイルス病に感染していると増殖した株も感染する。ウイルス病は収量減を引き起こすことから、ウイルスを取り除く(ウイルスフリー化)ための茎頂培養(茎の先端を切り取って培養により再生)を行うことを指す。

(1)事業対象者
県内の園芸農家
ナシ(1,290ha、県内全域)、カキ(180ha県内全域)、ブドウ(70ha、県内全域)
イチゴ(12ha、湯梨浜町、倉吉市)、スイカ(301ha、北栄町、倉吉市他)
シバ(760ha、琴浦町、北栄町、大山町)、実つき枝物(30戸、1ha、鳥取市他)、
坊主不知ネギ(JA鳥取西部管内12ha)

3.事業の効果

(1)良食味、新キャラクター高単価、高付加価値化、ブランド化
目標糖度 ブドウ18度以上、イチゴ12度
(2)耐病性品種の育成:防除回数の削減→低コスト化(シバ;10a当たり55,000円減)
(3)機能性の付加新規需要開拓
(4)
(5)
多収性増収増益 (イチゴ、実つき枝物 50%増収)
高品質・多収性→周年出荷体系・ブランド力の強化、春ネギ栽培面積の拡大

4.H26年度要求額内訳

内訳
要求額
栽培資材費、実験用器具・試薬購入費等
900
栽培委託費
149
普通旅費
119
役務費
165
合計
1,333

5.年度別試験内容と事業費(単位:千円)

事業実施期間:平成23年度〜27年度
試験内容
事業費
ナシ
カキ
ブドウ
イチゴ
スイカ
シバ
枝物
白ネギ
22
特性調査
交配
交配
交配
耐病固定
ノシバ特性
ノイバラ特性
1,333
 
 
23
特性調査
交配
交配
交配
耐病固定
ノシバ特性
ツルウメ特性
系統
収集
1,333
24
特性調査
選抜
交配
選抜
耐病F1
コウライ特性
ツルウメ特性
交配
1,333
25
特性調査
選抜
選抜
選抜
耐病F1
コウライ特性
サルトリ特性
交配・
選抜
1,333
 
26
特性調査
選抜
選抜
特性調査
特性調査
コウライ特性
サルトリ特性
選抜・特性調査
1,333
27
特性調査
選抜
選抜
特性調査
特性調査
コウライ特性
サルトリ特性
選抜・特性調査
1,333

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

<目標>
特徴ある鳥取オリジナル品種の育成
・消費者、生産者ニーズに応え、本県の園芸作物をブランド化する独自の優良品種を育成する。

<取り組みの内容>
・ナシ優良系統の特性調査
・西村早生、伊豆に代わる優良な早生甘カキ品種の育成
・皮ごと食べられる盆前出荷ブドウ品種の育成
・高糖度、早生多収イチゴ品種の育成
・つる割病および黒点根腐病耐病性スイカ台木の育成
・耐病性で生育が旺盛なノシバおよびコウライシバ品種の育成
・枝姿が優れ、実数が多く、本県で確立した樹形管理で多収となる「実つき枝物」品種の育成
・白ネギ坊主不知の高品質・多収品種の育成

<現時点における達成度>
これまで、以下の品種を登録申請した。
・ナシ・・・・・・青ナシ「なつひめ」(H18年)、「夏さやか」、「夏そよか」、「え
みり」、「涼月」(H19年)、赤ナシ「新甘泉」(H19年)、「秋甘泉」(H20年)
・カキ・・・・・・早生甘ガキ「輝太郎」(H20年)
・スイカ・・・・・つる割れ耐病性台木「どんなもん台」(H19年)
・シバ・・・・・・ノシバ「グリーンバードJ」(H20年)
・実つき枝物・・ノイバラ、ツルウメモドキ(申請準備中)
・白ネギ坊主不知・・・現地優良系統5系統を収集、園試保有5系統をウイルスフリー化。3系統の自殖交配から得た種子の1次選抜を行った。

これまでの取組に対する評価

<H22年度の外部評価(中間)の結果>
   評点:12.86 判定:◎
   (評点9以上で試験が実施できる)
(1)委員の主な意見
鳥取オンリーワン品種として大いに研究してほしい。これこそ食のみやこ鳥取県の有力作物になるのではないでしょうか。あと消費者へのアピールをもっと積極的に!

<改善点>
・ナシ・・・・優良系統で高接ぎ予定樹を選抜する。
・カキ・・・・育種系統の特性調査を行い、選抜を進める。
・ブドウ・・・ポット栽培から地植え栽培に移行し、特性調査を行い選抜をすすめる。
・イチゴ・・・優良系統に適した栽培方法を検討するとともに、新たに交配を進め特性検定による選抜を行う。
・スイカ・・・交配による系統育成、選抜を引き続き行うとともに、つる割れ病以外の土壌病害耐性についても検討する。
・ノシバ、コウライシバ・・・耐病性系統の評価と現地生育特性の年次調査を行う。
・実つき枝物・・・現地生育特性調査を行う(ノイバラ、ツルウメモドキ)。優良系統の圃場での増殖法(高接ぎ繁殖など)を確立する(サルトリイバラ)。
・白ネギ坊主不知・・・交配系統の育成と選抜を行う。

工程表との関連

関連する政策内容

オリジナル品種・高付加価値化技術開発

関連する政策目標

特徴ある鳥取オリジナル品種の育成


財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 1,333 0 0 0 0 0 0 0 1,333
要求額 1,333 0 0 0 0 0 0 0 1,333

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 1,333 0 0 0 0 0 0 0 1,333
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0