これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
・気象変動に伴う栽培環境の変化により、花や草姿等の品質低下が問題になっていることから、出荷時の草姿向上法を確立する。
<取り組みの内容>
・シンテッポウユリ(秋冬出荷)のブラスチング・花首徒長対策の検討
・トルコギキョウ(秋出荷)の草丈伸長技術の確立
・ストックの花首徒長・うらごけ対策の検討
・花壇苗のわい化と花蕾増加法の検討
<現時点における達成度>
・シンテッポウユリ・・ブラスチングに関しては、ハウス内の日照量が低下することが原因と推察された。 花首徒長に関しては、花首徒長を抑制するためのわい化剤を処理するタイミングおよびわい化効果の高い処理濃度を明らかにした。(達成率80%)。
・トルコギキョウ・・・定植後に蛍光灯、発蕾後に白熱灯に切り換えて光照射すると草丈が著しく伸長した。(達成率85%)。
・ストック・・・これまで花首抑制に効果的とされた潅水制限は、現在の主力品種では花首徒長や裏ごけを助長することが明らかになった。(達成率40%)
・花壇苗・・・(1)ペチュニアの鉢上げを2週間遅らせると、わい化剤処理と同等のわい化効果が得られたが、アゲラタムなど数品種は鉢上げを遅らせると花蕾が僅かに減少した。
(2)アゲラタムの育苗中に夜間電照すると、分枝数が増し、花蕾が増えた(達成率70%)。
これまでの取組に対する評価
<H24年度の外部評価(中間)の結果>
評点:12.2 判定:◎
(評点10以下は再考)
委員の主な意見
(1)問題解決の対策が具体化しつつあり、研究継続の必要性がある。
<自己分析>
・シンテッポウユリ・・・花首徒長抑制にわい化剤が効果的と考えられ、処理のタイミングや希釈濃度等を検討したが、実用的な処理方法は未確立。
・トルコギキョウ・・・これまでの試験結果から、画期的な品質向上法が確立できると考えている。今後、普及を目指した実証組み立てが必要。
・ストック・・・生育後半の潅水管理が草姿に影響することが明らかになったが、草姿を改善するための具体的な潅水管理や施肥方法(液肥等)が未解明。
・花壇苗・・・(1)わい化に関する育苗延長のうち、春に出荷する草種では、処理方法が確立しつつあることから、鉢上げタイミングに関するマニュアルを作成する。
(2)育苗中の日長管理に関しては、日長反応性の高い品目にアゲラタムを選抜した。引き続き、日長管理による品質向上効果の高い品目を選抜し、具体的な処理方法等のマニュアル化を図る。
<改善点>
・シンテッポウユリでは、花首徒長に対する実用的なわい化剤の処理方法を検討する。
・トルコギキョウでは、育苗時の処理と定植後の光照射との併用技術を検討する必要がある。
・ストックでは、現地と協力し、具体的な施肥・潅水管理法を検討する。
・花壇苗では、鉢上げ指標を明らかにするため、データを積み上げる。また、育苗期間延長と育苗中の日長処理の組み合わせによる高品質化法の検討が必要である。