事業の内容
次代検定林調査事業
(1)選抜品種の遺伝的特性を確かめるために、昭和45〜63年に設定した次代検定林(スギ18ヶ所21.0ha、ヒノキ11ヶ所11.0ha、合計29ヶ所32.0ha)について、10年ごとに成長や各種特性を調査し、選抜した精英樹及び耐雪性品種の検定を行う。
具体的には、樹高(木の高さ)、胸高直径(1.2mの高さの直径)や枝下高(地面から枝までの高さ)等を測り、成長量の善し悪しや幹の形の調査を行い、それぞれの育種母樹の特徴を確定していきます。
(2)平成26年度は、設定から40年目の次代検定林1箇所(スギ1.5ha)の定期調査を行う。
事業の概要
精英樹選抜事業等によって選抜した主要造林樹種(スギ、ヒノキ)の遺伝的能力を検定するための次代検定林を調査する。
事業の目的及び効果
(1)林業種苗法に基づき、主要造林樹種の品種改良を行う。
(2)選抜品種の遺伝的特性が明らかになり、森林林業の生産性向上と質的充実を図る。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
次代検定林の成長調査により各品種の諸特性を明らかにし、採種穂園の改良及び推奨品種の選出を行う。
<取り組み状況>
次代検定林の設定後、20年次までは5年毎に、21年次意向は10年毎に成長量等の調査を行ってきた。平成25年度は、次代検定林3箇所(スギ3ヶ所)の定期調査を行い、データの収集及び分散分析を行った。また、次回調査のために調査木をマーキングした。
<現時点での達成度>
幼齢から壮齢に至る成長性、諸形質及び雪害の程度が一部検定林で明らかになり、品種の特性表が充実してきた。今後とも継続して調査を行い当初目標の達成を図る。
これまでの取組に対する評価
<自己分析>
今後の林業における造林材料として、低コスト育林を可能にする成長性に優れた品種が求められている。これまで継続して行われてきた次代検定林の調査によって推奨品種を提示できるようになった。この場合、単に成長性に優れるだけでなく、少花粉形質あるいは材質強度といった優良形質を備えた品種が明らかになってきており、新たな経営目標に合致した材料供給に貢献すると思われる。