1 事業概要
県内企業への就職等を希望する技術系人材の情報と技術系人材を求める県内企業の求人情報を蓄積し、両者の最適なマッチングを専任のコーディネーターが支援する「鳥取県技術人材バンク」を運営し、技術系人材の県内就職及び県内企業の技術系人材の確保を促進する。(県の無料職業紹介事業として実施)
○「鳥取県戦略産業雇用創造プロジェクト」(平成25〜27年度)の一環として事業を実施。
○県外窓口(大阪、東京)の運営経費は、「鳥取県戦略産業雇用創造プロジェクト事業費」で別途要求
2 事業の背景・必要性
【背景】
・三洋電機、日立金属等の県内大手製造業企業を中心とした事業再編、事業所閉鎖、事業縮小等により、多くの技術者が離職するとともに、県外へ流出。
・一方で、県内製造業企業は、事業拡大や新事業への展開を見据え、技術力の向上を図るため即戦力となる人材を求めている。
・企業誘致を積極的に展開しているが、誘致の実現、誘致企業の操業には、企業のニーズにあった人材確保支援が必要。
【事業の必要性】
(1)企業の事業拡大等の促進
・事業拡大、新事業展開等に伴い、県内企業が必要としている即戦力人材を広く県内外から確保・供給することで、事業拡大等を支援するとともに、更なる雇用創造を図る。
・「鳥取県戦略産業雇用創造プロジェクト」(平成25年度〜27年度)において、「鳥取県技術人材バンク」を県内企業に即戦力人材を供給する機能として位置付けており、特に電気電子・デバイス産業、素形材産業への人材供給に注力する。
(2)技術者の県外流出等の防止
企業の事業縮小等により離職技術者が発生する場合、技術者を必要とする企業への就職を支援することにより、離職技術者の早期就職の実現と企業の人材確保及び技術者の県外流出等による県内製造業全体の技術力の低下を防ぐ。
(3)事業再編等による県外流出技術者の県内就職促進
事業再編等により、やむなく県外勤務を行っている技術者の県内就職を支援することで、本人の希望に沿った就業機会の提供とともに、県内企業の人材確保を支援する。
(4)誘致企業の人材確保支援
・企業の新規立地において、工場等の立ち上げ時に必要な即戦力人材を供給し、支障なく操業出来るよう支援する。
・新規立地を行う際、企業が重要視する人材の確保について、企業が必要とする中心的人材を供給できるシステムが整備されていることは、企業誘致を行う際のアピールポイントとなる。
↓
上記の目的を効果的に実現するためには、以下が必要。
■技術者に特化したマッチング機能であること。
■マッチングは、求職者の技術的能力を評価し、企業の技術ニーズを的確に把握することが出来る仲介者が行うこと。
↓
既存の公的な就職支援機関にはない機能として、平成25年度から「鳥取県技術人材バンク」を新たに創設。
3 現状
平成25年度から、「鳥取県技術人材バンク整備事業」(緊急雇用基金)として、本格的な運営に向けた体制整備を中心に実施。
〔求職登録者数等の状況〕(平成26年1月17日現在)
求職登録者数 | 156名(県内在住:127名)
(県外在住: 29名) |
求人登録数 | 75名(31社) |
就職決定数 | 26件(HW等紹介による決定数を含む) |
4 事業内容
技術コーディネーター(非常勤職員)の配置 6名
各窓口に技術コーディネーターを配置し、求職登録者と求人企業の双方の立場に立った、最適なマッチングを実施する。
※コーディネーターは、求職登録者の技術的能力の評価を実施し、求人企業が求める人材ニーズを的確に把握した上でマッチングを行う必要があるため、民間企業等で技術職等の経験がある者とする。
【実施体制】
| 県内窓口 | 大阪窓口 | 東京窓口 |
名 称 | 鳥取県技術人材バンク | 鳥取県産業未来・雇用創造オフィス | 鳥取県技術人材バンク東京オフィス |
場 所
(現状) | 雇用人材総室内 | グランフロント大阪ナレッジキャピタル内 | 鳥取県東京ビジネスオフィス内 |
場 所
(予定) | 大阪駅前 |
コーディネーター配置数 | 3名 | 2名 | 1名 |
【対象業種】
機械・電気・電子・化学・情報処理・生産管理・研究開発技術者、その他の技術的職業(技能的職業を含む)
【主な業務】
○求職者(技術指導者)情報の収集と技術的能力評価
ハローワーク、ふるさと鳥取県定住機構等の関係機関との連携や独自のネットワークにより求職者(技術指導者)情報を収集・登録し、登録者との面談により技術的能力を評価。
○求人情報の収集と人材ニーズ把握
企業訪問等により求人情報を収集・登録し、求人企業からの聞き取りにより企業の人材ニーズを的確に把握。
○求職者と求人企業とのマッチング
求職者、求人企業の情報を元に、最適なマッチングを実施。
【今後の展開】
・県内コーディネーターを1名増員(2名→3名)し、大量離職等により増加した県内登録者の技術的評価を的確に実施するとともに、求人企業の開拓を強化することにより、登録者と企業のマッチングを促進させる。
・技術人材バンクで独自に情報収集している県外在住の潜在 的な登録者の登録を進めるとともに、バンクの独自ルート、関係機関との連携等により、更なる県外登録者の増加を図る。
5 要求額
15,006千円 (全体事業費:41,886千円)
(単位:千円)
| 事業費 | 財源内訳 |
一般財源 | 国補助金 |
県内窓口 | 15,006 | 15,006 | |
県外窓口 | 26,880 | 5,376 | 21,504 |
合 計 | 41,886 | 20,382 | 21,504 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・H25から「鳥取県技術人材バンク整備事業」(緊急雇用基金事業)として、主に本格稼働に向けた体制整備を中心に実施。
〔H25の主な取組〕
・県内窓口(雇用人材総室内)、大阪窓口(グランフロント大阪内)、
東京窓口(東京ビジネスオフィス内)の開設(H25.7.8)
・PRチラシ、ポスターの作成、HP作成、関係機関HPにリンク掲載等
・関係機関(県内外の就職支援機関、職業訓練機関、大学、高専
等)へのPR、協力依頼
・関係機関との連携に係るルール作り
・求人情報の収集、登録(企業訪問等により実施)
・求職者情報の収集、登録(関係機関との連携、独自のネットワーク
により実施)
・求職者、求人企業とのマッチング
これまでの取組に対する評価
・7月8日の県内、県外窓口の開設以降、求職者情報の収集と登
録を本格的に開始し、登録者数は、156名(H26.1.17現在)となっているが、県外求職者を中心として、更なる求職者情報の収集と登録が必要。
・登録求人数は、75名(31社)(H26.1.17現在)であり、今後も企業
訪問等を中心とした求人情報の収集、登録を継続して実施する。
・技術人材バンクからの紹介件数7件に対し、就職決定件数は7件
(辞退者1名を含む)であり、まだ実績としては少ないながら、求職 登録者の技術的能力の評価を行うとともに、企業の技術ニーズを的 確に把握することで、ミスマッチのない最適なマッチングを行うという 技術人材バンクの目的にかなった成果を上げており、マッチング機 能は有効に働いている。
⇒今後、更なる事業のPRを行うとともに、求職者情報の収集、登録
を強力に進め、事業を有効に行うために必要な登録者数を確保
し、求人企業とのマッチングを促進していく。