1 事業内容
本県にて新たにコンテンツ関連業務及び事務管理業務を行う企業等の立地を促進するため、立地企業等に対し、事業開始から5年間の人件費、通信料、借室料及び設備機器リース料、空きオフィスの改修費の一部を補助する。
2 事業概要
(1)コンテンツ・事務管理関連雇用事業補助金
ア 補助対象業種
○コンテンツ関連業務
・まんがに関するコンテンツ
・アニメーションに関するコンテンツ
・前2号に関連するコンテンツ
・人材育成
○事務管理部門
・一般事務(総務事務、企画・調査事務等)
・会計事務(現金出納事務、予算・経理事務等)
・事務用機器操作事務
イ 補助要件(新規雇用者数)
○コンテンツ関連業務
・3人以上(うち1人以上は県内からの雇用)
○事務管理部門
・5人以上(うち県外からの転入者2人以内)
ウ 補助金額
・人件費:新規常用雇用者1人につき50万円(1人1回限り)
・通信料、借室料及び設備機器リース料:1/2
エ 補助限度額
・人件費:5,000万円(5年間で100人を上限)
・通信料:500万円(1年につき)
・借室料及び設備機器リース料:1,000万円(1年につき)
オ 補助期間
・5年間(人件費を除く)
(2)サテライトオフィス@とっとり構築支援事業
ア 事業内容
IT・コンテンツ系等の県外企業が空き家・空き店舗を賃借し、「サテライトオフィス」に改装する経費(撤去・清掃・リフォーム)に対して、県が1/2を助成する(市町村は任意)
恒常的な賃借だけでなく、期間限定(1年程度)の賃借も可とする。
イ 事業費
事業主体 | サテライトオフィスを賃借する県外企業 |
補助対象経費 | 空き家・空き店舗内の撤去・清掃・リフォーム経費 |
県からの交付先 | コンテンツ関連企業・個人 |
補助率 | 県 1/2 |
補助上限額 (1件当たり) | 県 2,000千円 |
県事業費 | 6,000千円 (3件分) |
ウ 事業の課題
○市町村が窓口となっており、市町村は実際の誘致が決定的に
なった後に補正予算で予算化する仕組みであった。
⇒支援確定まで相当の時間を要するために、実際の誘致の際の決定打となる提案にならなかった。
○支援の基礎となる「空き家、空き施設」の斡旋も市町村が担って
いたため、誘致先企業に有効な立地先を提案できなかった。
エ 変更点
○迅速且つ適切な誘致提案を可能にするため、これまでの市町村
への間接支援を見直し、県からの直接支援とする。
※市町村からの支援は任意とする。
○「空き家、空き施設」について立地候補となり得る物件情報をDB化、その情報を県が一元的に管理し交渉先となる企業・個人に最適な物件を紹介することで誘致の確度向上を図る。
3 所要経費
(1)コンテンツ・事務管理関連雇用事業補助金
ア コンテンツ関連業務
補助金交付予定額(7社):39,499千円(62,399千円)
・通信料 : 6,447千円
・借室料 : 12,983千円
・設備機器リース料金 : 12,069千円
・人件費(16人) : 8,000千円
イ 事務管理部門
補助金交付予定額(4社) : 38,223千円(34,753千円)
・通信料 : 9,550千円
・借室料 : 9,523千円
・設備機器リース料金 : 13,150千円
・人件費(12人) : 6,000千円
(2)サテライトオフィス@とっとり構築支援事業
補助金交付予定額(3件):6,000千円(5,000千円)
2,000千円 × 3件 = 6,000千円
4 事業の目的・背景
(1)県内の雇用状況は、依然厳しい状況にある。
(2)平成19年度末、県内において雇用の場が著しく不足している事務的職業について、雇用を拡充する目的で事務管理部門に対する補助制度を創設。平成20年度1社、23年度2社に対して事業認定を行った。
(3)平成24年度には、「まんが王国とっとり」を持続・発展し、ビジネス展開していくため、コンテンツ制作業等に対する補助制度を追加。平成24年度3社に対して事業認定を行った。
(4)引き続き本制度を活用し、誘致活動を行っていく。
(5)昨年度別事業で要求していた「サテライトオフィス@とっとり構築支援事業」について、本事業と統合し、一体的且つ段階的な支援制度とすることで企業・個人にとって訴求力のある誘致支援スキームとする。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○これまでの取組状況
【コンテンツ関連業務】
平成24年1月に建国された、「まんが王国とっとり」を持続・発展し、ビジネス展開していくためには、県内でのコンテンツ産業を興すとともに、県外からのコンテンツ産業及び関連産業の誘致を図っていく必要があることから、平成24年6月補正予算において、コンテンツ産業の新規立地等に対する支援制度を創設。
【事務管理部門】
県内において雇用の場が著しく不足している事務的職業について、新たに事務管理部門を行う企業を誘致することにより雇用の場を確保するため、平成19年度末に当該制度を創設。企業立地等事業助成条例のメニューの中に当制度を盛り込んでいる。
制度創設当時の雇用要件は「10人以上(県内転入者5人以内)」であったが、実際には厳しい要件であったため、平成20年度に要件緩和による制度改正を行い、雇用要件を「5人以上(県内転入者2人以内)」とした。
コールセンターなど、アウトソーシング事業を行う企業を中心に企業訪問を行っており、企業訪問の際には、この制度を含めた各種優遇制度をPRすることにより、企業の新増設を支援しているところである。
【サテライトオフィス構築支援事業】
○企業誘致は中山間地への立地が少なく、都市偏在傾向にある。
○国際まんが博開催を契機としてコンテンツ関連支援施策は充実したが、活動支援、人材育成等が主であり、企業・人材誘致に繋がる直接的支援策が不十分であった。
◇中山間地には使用可能且つ安価な賃料で活用可能な「空き家、空き施設」が存在する。
◇コンテンツ関連企業・個人から「ネット環境があれば立地場所は問わず、むしろ安価な賃料で拠点が構えられることが望ましい」との声ある。
上記の課題がある中、平成24年8月の「島根県・鳥取県若手職員交流セミナー」で両県知事に提案された「SUN−INシェアオフィス」をベースとして、
平成24年度、「サテライトオフィス@とっとり構築支援事業」を制度化
これまでの取組に対する評価
【コンテンツ関連業務】
平成25年11月時点で、県外企業3社の新規立地が決定しているところ。
ほとんどのコンテンツ産業は小規模・小雇用であるが、従前はこの分野に対する支援措置はなく、全国的にも先進的な取組みであるとして、県外企業からの評価も高い。
制度をさらに活用し、コンテンツ産業の集積実現に向けて誘致活動を行っていく。
【事務管理部門】
世界同時不況が収束しない今、製造業を中心とする企業の受注は激減し、雇用情勢も急激に悪化している経済状態で、製造業以外の分野を支援する制度があることは、企業誘致を働きかける際の大きな武器となっている。
平成20年度に1件、23年度に2件認定しており。事業認定を受けた企業は初年度から順調に事業活動を行っている。今後も事業拡大を見込んでいる。
事務的職業においては、現在も雇用の場が不足している状況であるので、引き続きこの支援制度をPRすることにより誘致活動を行っていきたいと考えている。
【サテライトオフィス@とっとり構築支援事業】
○市町村が窓口となっており、市町村は実際の誘致が決定的になった後に補正予算で予算化する仕組みであった。
⇒支援確定まで相当の時間を要するために、実際の誘致の際の決定打となる提案にならなかった。
※実際に、このことがネックとなり誘致交渉先企業が島根県等の他県に立地を決定してしまった事例が発生。
○支援の基礎となる「空き家、空き施設」の斡旋も市町村が担っていたため、誘致先企業に有効な立地先を提案できなかった。
このため、H26年度当初予算要求で以下の改正を予定
◇迅速且つ適切な誘致提案を可能にするため、これまでの市町村への間接支援を見直し、
県からの直接支援とする。
※市町村からの支援は事後的に追従する形とする。
◇コンテンツ・事務管理関連雇用事業補助金に統合し、一体的且つ段階的な支援制度とすることで企業・個人にとって魅力的な誘致提案可能なスキームとする。