1.事業内容
(1)強度行動障がい者新規支援補助事業【継続】
障害者支援施設及びケアホームにおいて、新たに強度行動障がい者の居住支援を行う社会福祉法人等に対し、1:1相当の配置に係る人件費から事業者が得る相当の自立支援給付費を引いた差額の助成を行う。
実施主体 | 市町村 |
補助対象 | 新たに強度行動障がい者の居住支援を行う社会福祉法人等 |
負担割合 | 県1/2、市町村1/2 |
補助基準単価 | (1)障害者支援施設へ強度行動障がい者が新たに入居する場合
一人当たり257,371円/月
(2)ケアホームへ強度行動障がい者が新たに入居する場合
一人当たり 98,704円/月 |
(2)強度行動障がい者ケアホーム移行支援事業【継続】
強度行動障がい者が、障害者支援施設からケアホームへ移行した場合に、1:1相当の配置に係る人件費から、事業者が得る相当の自立支援給付費を引いた差額の助成を行う。
実施主体 | 市町村 |
補助対象 | 障害者支援施設からケアホームへ強度行動障がい者が新たに移行した場合に居住支援を行う社会福祉法人等 |
負担割合 | 県1/2,市町村1/2 |
補助基準単価 | 一人当たり 98,704円/月 |
(3)強度行動障がい児者短期入所利用支援事業【拡充】
強度行動障がい児者の短期入所による支援を行う社会福祉法人等に対し、1:1相当の配置に係る人件費から事業者が得る相当の自立支援給付費を引いた差額の助成を行う。
*拡充内容
【従前】障がい者の新規受入れ分のみを助成対象とするもの
【拡充後】(1)障がい児も対象とする(2)新規受入れに限定しない(3)3年間の利用期限を設けない
実施主体 | 市町村 |
補助対象 | 強度行動障がい者の短期入所による支援を行う社会福祉法人等 |
負担割合 | 県1/2、市町村1/2 |
補助基準単価 | 一人当たり 10,075円/日 |
2.積算根拠
(1) 強度行動障がい者新規支援補助事業
予算要求額 7,722千円(前年度7,362千円)
[内訳]
ア.入所施設に入所する場合(7,722千円)
257,371円(補助基準単価)×12か月×5人×1/2=7,721,130円
イ.ケアホームに入居する場合(0千円)
98,704円(補助基準単価)×12か月×0人×1/2=0円
ア+イ=7,722千円
(2)強度行動障がい者ケアホーム移行支援事業
予算要求額 593千円(前年度2,369千円)
[内訳]
98,704円(補助基準単価)×12か月×1人×1/2=592,224円
(3)強度行動障がい児者短期入所利用支援事業
予算要求額 3,809千円(前年度2,721千円)
[内訳]
10,075円(補助基準単価)×3日×12か月×21人×1/2=3,808,350円
3.目的
強度行動障がい者の保護者の負担、不安を軽減するため、
●入居に係る流れをスムーズに行い、障がい児施設等で待機している状況をできるだけ早期に解消すること
●旧加算と同様に3年間を限度*に、手厚い支援体制のもと、集中的に行動障がいを軽減し、1:1相当の配置による特別処遇から、一般の入所棟やケアホームへの移行の流れをつくること *短期入所を除く。
●施設・事業所運営法人が強度行動障がい者の支援を行うことにより、そのノウハウ・経験を蓄積することで、入居可能な裾野を拡げること
●受入れを行っている事業所の持続的な運営を支援すること
を目的とする。
4.背景
(1) 新規支援補助事業・ケアホーム移行支援事業
旧法では、障がい者への支援に係る強度行動障がい者に特化した加算が設定されていたが、現行法では、重い障がいへの加算は一つにまとめられたため、
●従来加算が算定されていた重度の強度行動障がい者も、新法では、全く加算が算定されないこと
●加算が算定されても、従来より加算額が少ないこと
が起こるようになった。
よって、より手厚い支援が必要な重度の強度行動障がい者が新たに入居することについては、施設や事業所が積極的に支援を行えない現状がある。
(2)強度行動障がい者短期入所利用支援事業
在宅の強度行動障がい者については、日中障害福祉サービスを利用し、サービス利用時間外には保護者が必死に支援しているケースが多く存在する。
保護者は冠婚葬祭等対応やレスパイトのために強度行動障がい者の短期入所利用を考えるが、当該者の支援が困難であることから利用を断られることが少なくないため、保護者が必死に頑張っている状況がある。
また、受入れを行っている短期入所事業所については、支援が困難(人員配置、設備整備等の観点から採算が合わない等)なものの、何とか利用者や保護者を支援したいという想いによって受入れを行っているため、受入れの継続的な実施の観点から問題がある。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
重度の強度行動障がい者への支援については、旧体系施設で算定されていた強度行動障害者特別支援加算により評価されていたが、新体系施設に移行すると当該加算はなくなり、事業者が重度の強度行動障がい者の支援を積極的に行えない状況があることから、本事業により支援を行っている。
これまでの支援実績は次のとおり。
○平成23年度
・ 強度行動障がい者新規支援補助事業 3名
○平成24年度
・ 強度行動障がい者新規支援補助事業 5名
○平成25年度(10月30日現在)
・ 強度行動障がい者新規支援補助事業 5名
これまでの取組に対する評価
○待機者の解消 5名
○行動障がいの軽減 5名中4名が行動障がいの程度が軽減している。(残り1名は未判定のため来年度以降軽減の評価を行う。)
以上より、待機者の解消と支援対象者の行動障がいの軽減に一定の成果が現れているものと考える。
なお、本事業に関連する取組みとして、
○23年度から国立秩父学園での行動障がいに関する研修への施設職員の派遣(H23派遣実績2名←県の行動障がい研修に参画)
○24年度から行動障がいの研究・支援実践の第一人者である鳥取大学医学研究科の井上教授に県の行動障がい研修に御参画いただき、人材育成を推進している。
→県内の環境も少しずつ整備されてきている。
併せて、引き続き、国に対して、報酬体系において、強度行動障がい者の支援が適正に評価されるよう意見・要望を行っていく。