県内の労働雇用情勢は依然として厳しい状況にあり、また、労働者を取り巻く雇用環境も多様化している。
このような状況の中、職場のいじめ、嫌がらせ、パワーハラスメントの増加に見られるような、労働者と使用者との間の労働紛争が年々複雑化している。また、労働関係法令の改正に伴い、「労使ネットとっとり(鳥取県労働委員会個別労使紛争解決支援センター)を気軽に活用してもらえるよう周知し、県民の相談需要に迅速に対応していく必要がある。
また、労使ネットとっとりで取り扱う個別労働関係紛争に関する相談、あっせんの内容は年々複雑化しており、労働相談及びあっせん等に当たる委員並びに事務局職員はますます知識及び経験を研鑽していく必要がある。
本事業は、当労働委員会の機能である紛争処理機能を一層強化し、当委員会の紛争処理機能を活用してもらえるよう県民に対し広報・PRするとともに、迅速、的確、適切な紛争解決が可能となるよう業務処理基盤を整備するための事業である。
(個別労働紛争あっせんの高い解決率(70%以上)の維持・向上)
(1)必要性
ア 平成23年度以降、個別労働紛争関係の相談及びあっせん件数とも増加傾向にある。
イ 限られた人員(委員、職員)できめ細かい対応の実施
→高い解決率(70%以上)に結びついている。
ウ 労働委員会の手続(サービス)について周知を行い、当委員会の手続利用による労使紛争の迅速、適正な処理を実施。
(当事者間での労使紛争の悪化、長期化を防ぐ)
エ 平成25年4月1日の労働関係法の改正や職場におけるいじめ・嫌がらせ、パワーハラスメントの社会問題化に伴う新たな知識の習得が不可欠。
(当委員会への相談、あっせん件数の今以上の増加が見込まれる)
オ 件数の増加に伴い、解決に結びつく「きめ細かな対応」を継続するためには、各員の研鑽が不可欠。
カ 上記を支える基盤(人・物・情報基盤等)の整備が急務
(2)課 題
◎ 人的資源(委員、職員)の改選(委員)、異動(職員)
労使紛争対応:知見、経験が不可欠
委員は2年に一度の改選
→ 新任の委員には、複雑多岐にわたる事案に対応するため労働政策等に関する研修等が不可欠
ア 委員:任期2年
一昨年の委員改選では、5名(労働者委員3名使用者委員2名) 、今年5月の改選では1名(公益委員)が新たに着任。
イ 職員:2年〜3年の期間で異動
23年度は3人が異動、24年度は3人が異動、25年度は2人が異動。(事務局職員は8名)
また、近年の労働紛争及び相談内容の複雑化により、新任委員以外の委員に対しても定期的に労働政策等の専門的研修等が不可欠である。
労使ネットとっとりの広報を強化し、紛争処理の機能を強化するため「労使ネットとっとり広報・機能強化」事業として組替え。
○(臨)地元新聞への広告掲載等への広報強化
(枠外標準事務費・増額)〔449千円増〕
○(新)高校・大学生への周知活動
(枠外標準事務費・増額)〔600千円増〕
○(新)労働紛争予防セミナーの開催
(枠外標準事務費・増額)〔734千円増〕
紛争を未然に防止するとの観点から、今年度新設。
○(臨)中国地区労働委員会会長連絡会議における外部講師講演会の開催
(枠外標準事務費:増額)〔437千円増〕
○(臨)県外での委員研修にかかる費用
(事業費・減額)〔100千円減〕
実際に県外研修に参加可能な委員は多くはないことから、人数を見直したことによる減額。
○(臨)委員貸与用書籍の購入費
(枠外標準事務費・減額)〔424千円減〕
委員改選は2年に一度であり、平成26年度は改選年ではないため、本年度の要求はなし。