1 技能労働者の労働環境改善事業
(1)賃金水準等の詳細調査
C=4,464千円
◆社会保険料を確実に確保するために今年9月26日から全国一斉活用を申し合わせた標準見積書について、県工事受注者に対して県に提出する下請施工体系図に標準見積書写しの添付を契約で義務付けし、活用を促す。
◆これにより収集した下請取引額を発注工事設計金額と比較分析し、下請内容別に賃金水準等を把握する。
⇒取引事実に基づく、具体的な賃金水準額の把握
(2)下請へのしわ寄せ防止対策の強化
C=100千円
◆標準見積書により把握した具体的な取引価格について、その額が設計金額の9割を下回る場合は、立入詳細調査を実施する。当該立入調査で2重帳簿等を疑わせるような悪質な事案が発見された場合は、税理士等の専門家に依頼して事実関係を確認し、文書指導等で改善を促す。
◆立入調査後文書指導等を受けた受注者については、工事成績点数についてマイナスの評価を行うなど一定のペナルティを検討し、自由取引を原則としつつも9割以上の価格で下請取引が行われるような工夫を措置する。
2 建設技能労働者の若年者の確保・育成事業
(1)人材の確保
1の労働環境改善事業により適正な賃金水準が確保できる請負額が確保され、社会保険等への加入が促進されるなど就労環境改善が図られることにより、自立的に若年者が確保されることを原則とする。
(2)人材の育成事業
(標準事務費対応)
(債務負担行為C=4,846千円)
人材の育成は現場において行うのが原則であるが、これまでの厳しい価格競争により、熟練技能労働者が最大の能力を発揮して施工することを前提とした請負額での取引が行われているとの意見が多く、技能を持たない若年者を現場で使用し、育成する時間と資金的余裕がない状況。
◆国の建設労働者確保育成助成金、キャリアアップ助成金といった活用できる制度を周知し、活用を促進する。
・計画・申請書作成相談窓口の紹介
・モデル事業者による活用事例紹介パンフ作成委託
◆専門工事業者の団体等と意見交換を行い、既存の助成金制度の有効性や現状とのミスマッチの状況を確認し、より有効な支援方法等を検討する。
・意見交換、支援策検討会の開催
・国助成対象外のものの現場実習、資格取得の試行的支援(1年限り) (債務負担行為)
3 賃金支払水準等実態調査
(標準事務費対応)
これまでの厳しい価格競争により下請業者はもとより、元請業者も企業体力を消耗し労働環境を悪化させている状況に変わりはない。引き続きフォローアップ調査を実施して、業界全体の賃金水準確保等の動向を把握し、設計労務単価の引上げや技能労働者の労働環境改善のための取組反映状況を把握する。