1 事業の目的
本県において園芸作物の出荷前進化、高齢化に対応した軽量品目の導入、雇用を活用した周年栽培等を促進するためには産地の施設化が必要である。
しかしながら、建設コストが年々高騰しており、施設化の推進を大きく阻んでいる。
そこで、県内外の事例を調査研究しながら、ハウス導入の低コスト化を検討することにより本県園芸産地の施設化のさらなる増進を図る。
2 事業内容
(1)低コストハウス研究会の立ち上げ
全農鳥取県本部、農協、農家代表(北栄町のすいか農家等)、県内施工業者、鳥取大学、北栄町、県で構成。
研究会の開催(4回程度)
(2)事例研究調査(県内、県外)
事例調査・検討会(導入価格、強度等)県内4回、県外2回程度
(3)低コストモデルハウスの設置
積雪・暴風等耐候性を備えたモデルハウスを農家ほ場に設置(3か所程度) 補助率10/10
3 要求額
6,817千円
4 スケジュール
H26年2〜3月:活力増進研究会中間まとめ
H26年4月:低コスト研究会立ち上げ
H26年5〜9月:事例研究(視察、検討会)
H26年10月:鳥取版パイプハウス低コストモデル設置
5 現状・背景
(1)県では、H23年に県単独事業でパイプハウスの導入を支援するなど、施設化を継続して推進。
(2)県では、平成25年9月に「鳥取県農業活力増進研究会」を立ち上げ、農家の聞き取り調査を行ったところ、すいか、アスパラガス等の施設化と年間雇用を活用した経営を希望する声が多く聞かれた。
(3)しかし、パイプハウスの価格は年々上昇しているため、補助事業を活用してもメリットを感じられないとの声があり、設置コストの低減が求められている。
⇒すいか(ハウス栽培)の所得率
H15 22%→ H25 11%
(経営費のうち約20%がハウスの減価償却費)
(5)H25年に梨の網掛け施設について、低コスト化を検討し、関東方式の網掛けを導入することで、従来300万円/10aの設置コストを200万円近くまで低減させることに目処がついた。
(参考)
[本県のパイプハウスのコスト]
・パイプハウス(通常型)価格
H19年 3,741千円→H23年 4,880千円/10a(3割高)
・パイプハウス(耐雪型)価格 7,584千円/10a
[低コスト化に向けた検討ポイント]
・積雪荷重・風圧に応じたパイプ径、ピッチの方式
・冬場の支柱設置と組み合わせた構造の簡素化
・建設作業の自力施工等による低コスト化(材料を購入し、自分で組み立てる農家もある。)
6 事業に期待される効果
(1)パイプハウスの導入コストの低減により、施設栽培への取組みが促進される。
(2)野菜、花きの複合経営や天候に左右されにくい環境で年間雇用等を活用した農業経営の展開が期待される。
(3)後作等によるハウスの高度利用により、農業所得の拡大が期待される。