(1) 酪農ヘルパー対策事業
酪農ヘルパー制度を継続し、国事業廃止に伴う利用農家の急激な負担増加を緩和するための支援、酪農ヘルパー組織の人材育成と組織運営の改善により、組織の自立を図る。
ア 激変緩和対策(予算措置不要)
酪農ヘルパー事業実施のために県と大山乳業が造成している基金から、酪農ヘルパー事業の運営に必要な経費を補てんする。
基 金:県 50,000千円、大山乳業 50,000千円
負担割合:県 1/2 、大山乳業 1/2
事業主体:鳥取県酪農ヘルパー事業組合
事業年度:平成26〜35年度
イ 酪農ヘルパー確保支援対策(緊急雇用基金事業)
酪農ヘルパー事業組合が新たにヘルパー職員を雇用し、酪農の実務(OJT)と酪農講習会受講(OFF-JT)により、酪農業(搾乳作業)に造詣の深い人材育成を行うことで、酪農ヘルパー組織の自立を図る。
要求額 (4,682千円)
人件費 2,975千円(給与、通勤費、社会保険料など)
事業費 1,360千円(自動車リース料、その他事業費)
その他 347千円(消費税等)
委託先 : 鳥取県酪農ヘルパー事業組合
事業期間 : 平成26年4月〜平成27年3月
(2) 担い手施設整備対策事業
酪農継承を支援するため、規模拡大、生産性向上に取り組む酪農家の施設・機械整備に対して助成する。
区分 | 対 象 事 業 | 補助割合 | 予算額
(千円) |
増頭対策支援 | 就農後概ね10年以下の後継者(45歳未満)の従事する酪農経営体がリース方式で行う、牛舎増改築とそれに伴う堆肥舎整備及び搾乳等の機械整備
※乳用種の成牛を20%以上かつ10頭以上増頭する場合に限る
(上限 : 30,000千円/1経営体) | 県1/3
市町村1/6 | 20,000 |
生産性
向上支援 | 担い手(45歳未満)が経営または従事する酪農経営体がリース方式で行う、生産性の向上及び省エネルギーに資する整備(牛床マット、飼槽改造、発情発見機、自動給餌機等)
(上限 : 3,000千円/1経営体) | 県1/3
市町村1/6 | 10,000 |
合 計 | | 30,000 |
・ 事業主体 大山乳業農業協同組合
・ 要 求 額 30,000千円
・ 実施期間 平成26〜30年度
(3) 畜建連携自給飼料作モデル実証事業
酪農家等が組織する農作業受託組織で、飼料収穫作業等を県内の建設業者等に委託することが実際に可能かをモデル実証事業という形で検証する。
補助対象 | 事業内容 | 補助割合 |
モデル実証組織
(中部 1、西部1) | 県内事業者等に収穫作業をモデル的に作業委託するための経費に助成 | 1/2
補助上限1,000千円 |
要求額 1,000千円×2組織 = 2,000千円
(3カ年事業:採択は26年度まで)
補助対象経費
・ 県内業者の自給飼料生産技術習得に係る研修費
・ 貯蔵調整作業技術習得に係る研修費
・ ほ場、バンカーサイロ等の補修に係る経費
補助対象者
大山乳業農業協同組合・農作業受託組織
・ 鳥取県内の酪農を取り巻く環境悪化により農家戸数や成牛頭数は年々減少しており、それに伴い生産乳量も減少している。
・ 酪農家は、輸入飼料価格の高騰により自給飼料面積を拡大する一方、1戸あたりの平均飼養頭数を拡大しているが、飼養管理や餌づくり、自給飼料生産作業などに追われ、これ以上の規模拡大は労働負担が大きく限界との声が多い。
・ 平成23年度から農協等と一体となって「やらいや酪農プロジェクト」により将来の酪農を「乳牛緊急増頭対策」・「新規就農・農場継承と雇用促進対策」・「製造の拡大強化対策」に分けて検討している。
・ 乳牛緊急増頭対策は「がんばる酪農支援事業」、製造の拡大強化対策は「とっとり発!6次産業化総合支援事業」で平成24年度から取り組んでいるところ。
・ 酪農ヘルパー事業は20余年にわたり酪農家の定休や傷病ヘルパーの基盤であり酪農に無くてはならない制度である。平成25年度で国の基金事業が終了し、組織の独自運営を余儀なくされているが、経営環境が悪化している状況でこれ以上の負担増は困難である。
・ さらに酪農では新規の参入には、初期投資が大きいことや継承農場の掘り起こしや維持、地元での受入れ調整に相当な労力が必要なことから、酪農後継者への規模拡大を促すことにより生産基盤の拡大を図ることが急務。
・ また、生乳生産の拡大には、自給飼料生産の外部委託が必要になことから、県内建設事業者に外部委託することが可能かどうかの検証が必要である。