1 事業目的
米の生産数量目標の減少や国の経営所得安定対策見直しにより、平成26年度以降の飼料用米作付面積の急増が見込まれる。しかし、飼料用米と主食用米では調製方法が異なることから、効率的な集出荷体制をとるためには、共同乾燥調製施設の改修等が必要であり、飼料用米の作付推進とあわせて、共同乾燥調製施設における集出荷体制の整備を図る。
2 事業内容
飼料用米の集出荷を行うカントリーエレベーターに対し、効率的な集出荷を行うために必要な施設の改修等の経費を助成する。
(1)事業主体 農業協同組合
(2)補 助 率 県1/2
(3)要 求 額 10,000千円
(4)想定される対象施設 各JAのカントリーエレベーター
3 飼料用米取組のメリットと効率的な集出荷対策
(1)取組のメリット
飼料用米は、既存の機械・施設で栽培が可能で、農家段階での新たな投資が不要である上、経営所得安定対策等による支援も充実しているため、安定した収入確保につながりやすい。
○水田活用の所得補償交付金
○産地交付金
多収性専用品種への取組に対して1.2万円/10aが追加配分
※本県では、「日本晴」を知事特認による多収性専用品種として位置付け
(2)効率的な集出荷対策
飼料用米はくず米を含めた玄米全量(主食用米では製品とくず米に選別)を出荷する必要があるため、主食用米で使用する選別機を通さない迂回ラインを設置するなどの改修を行うことで、集出荷の効率が大きく向上する。
4 現状と背景
(1)平成26年産米の生産数量目標の配分は、米の消費低迷による全国的な需要量の減少、在庫量の増加等から大幅に削減され、本県においては、面積に換算して670ha減少することとなった。
(2)国は、水田フル活用を進める中、飼料用米等の主食用以外の米に対する支援を拡充しており、本県においても各JA等と連携し、国の支援を有効に活用しながら飼料用米の作付拡大を推進している。
(3)現在、県内の飼料用米のほとんどは県内畜産事業者に供給されているが、作付を推進するに当たっては新たな需要拡大が急務である。県も農業団体等と連携し、昨年12月に新たに飼料用米緊急推進プロジェクトチームを立ち上げ、県外流通も視野に入れた具体的な対応策を検討している。
(4)各地域においては、米の生産数量目標の配分とあわせて、農家に安心して飼料用米に取り組んでもらえるよう、収入試算を示しながら、座談会等の場を通じて推進中であり、作付面積の大幅な拡大が見込まれる中、共同乾燥調製施設での集出荷体制の整備が必要となっている。
5 国の補助事業との関係
(1)国は、平成25年度補正予算において「水田フル活用実践緊急対策」(予算額:282億円)を創設し、効率的な生産体制への転換等を積極的に支援する方針を打ち出した。
(2)同事業では、平成25年度中に鳥取県農業再生協議会(事務局:生産振興課他)が国の補助金による基金造成を行い、平成26年度以降に事業実施する予定である。
【水田フル活用実践緊急対策の主な事業内容】
○効率的な生産体制等への転換支援
○効率的な流通加工処理体制への転換支援
○飼料自給率等の向上や経営の高度化に必要な機械支援
(3)県としては、基金事業を十分に活用しながら、米政策の転換等に対応する取組を支援。
(4)しかし、基金事業では、カントリーエレベーターの簡易な改修などが対象とならない可能性があることから、県として独自に支援する。