1 事業内容
栽培漁業センターでは、飼育に濾過海水(外海から海水取水管により取水し濾過施設により濾過したもの)と井戸海水を使用しているが、このたび、海水取水管(500ミリ)が破損したため修繕するための設計費を要求する。
2 破損状況と修繕方法
(1)経緯
○今年3月の初め当該施設(平成6年度整備)が破損し取水できなくなり、老朽化のため平成18年度以降清掃してない700ミリ取水管(昭和55年度整備)だけで対応しているところである。
○今年7月上旬、専門コンサルタントの調査結果、破損個所を特定した。
(2)破損状況
取水管は海中に約400mの延長であり、その水深は2m〜12mとなっており、破損個所は陸から150m先の配管フランジ1箇所であり、そこから砂が管内に流入し43m区間(16m管4本)で約60m3堆積している。
(3)修繕方法
破損個所付近の取水管の上に堆積している砂を撤去し、破損フランジを解体し、作業陸側の取水管1本を撤去し陸上にて清掃(管内の砂を除去)、補修し、残り3本の管は海中にて清掃後、再据え付けする。据え付けでは接続部を水中コンクリート巻き立てを行う。
(4)今後のスケジュール
10月補正予算成立
10月設計委託業務の発注
11月設計書作成
H26年度当初予算で修繕工事費を要求
H27年度当初修繕工事
3 要求内容
設計業務委託費 4,104千円
4 必要性
海水取水施設は、井戸海水とともに当センターの飼育技術の開発研究に必要不可欠な設備である。
ろ過海水と井戸海水を合わせた海水全体の供給能力は470m3/時(ろ過海水200m3/時、井戸海水270m3/時)であり、海水取水が止まれば、井戸海水の270m3/時だけとなる。この量では現在の使用量の290m3/時、更には平成28年度に生産拡大する計画使用量300〜500m3/時に対応できなくなる。
また、海水の質的な観点からも、井戸海水だけでは、飼育試験、種苗生産が困難となる。例えば、夏期の飼育では井戸海水だけでは低水温であるため飼育に影響が生じる。ろ過海水も井戸海水も必要であるため、修繕が必要である。
現在、老朽化のため平成18年度以降清掃してない700ミリ取水管で対応しているが、この管が破損したり閉塞することが予測できないので、取水不能とならない間に速やかに500ミリ取水管の修繕が必要である。