目的
栽培漁業センターで作った種苗生産技術と養殖手法を普及指導する
事業内容
地域養殖特産種創出試験およびアユカケ養殖実用化試験で培った技術を基に、栽培漁業協会への種苗生産委託と、養殖指導を行う。養殖についての技術開発は終え、養殖指導に徹底することにより、アユカケ養殖技術を普及させる。
同時に市場の状況を調査し、市場から必要とされているサイズや量を把握し、それに沿った形の養殖を指導する。
(1)種苗生産委託
普及指導に要する稚魚の生産の管理を委託する。全長2cm1万尾分(424,000円)。稚魚は新規の取り組みを行う業者などに対して試験的な飼育を行うために配布する。また一部を残し、時期親魚として育成する。
(2)養殖指導
県内養殖業者を巡回し、飼育管理から出荷方法まで指導を行う。
指導用種苗の管理費
巡回指導旅費(燃油代)
市場調査(旅費)
背景等
・鳥取の海は浪の穏やかな湾が少なく、漁業権が設定されている。そのため、新たな養殖業の参入者は、海水魚より淡水魚の方がとりくみやすい。
・ホンモロコをはじめとして、県内では淡水魚の養殖を始める人が増えている。
・土木建築関係などの他分野の業者などからも養殖に取り組んでみたいとの声があるが、経済効果が期待できそうな目新しい魚種は少ない。
・既存の養殖向け魚種はホンモロコ・ドジョウなど平地に向いた魚種が多い。中山間地向けの魚種としてはヤマメ・イワナなどがあるが、既に大規模に養殖が行われており、新たにそれらの養殖に参入するのは難しい。
・アユカケは、淡水魚の中では最も美味と言われ、全国的にも希少価値が高いことから、本県の特産種として県外に向けた出荷も期待できる。
・県外でもほとんど養殖の事例はなく、一般には流通していない。観賞魚用としてインターネット等では高値で取引されている。
・地域養殖特産種創出試験で種苗生産技術は確立し、全国でも珍しい種苗を提供できるようになり、アユカケ養殖実用化試験で養殖業者の育成を図ったが、生残率が悪く課題が残った。また出荷先の問題もあり、現在商業ベースでの養殖業者の育成には至っていない。
事業の効果
・内水面養殖経営体に対し、希少価値の高い新たな養殖対象魚種が提供できる。
・全国的にも珍しい特産養殖魚ができる。