1 事業概要
人口減少の影響を緩和し、地域の社会を維持していくためには、特に20〜30代の若い世代の移住に力を入れていくことが必要不可欠となっている。このため、鳥取県に目を向けていない県外在住の若い世代を対象に、とっとり暮らしに関する情報発信を強化し、まずは鳥取ファンになっていただき、将来の移住定住につなげていく。
2 経緯
◆平成19年度〜
田舎暮らしに関心のある方を対象にした情報発信
(とっとり移住定住ポータルサイトの運用、田舎暮らし雑誌の活用)
◆平成26年度〜
鳥取に目の向いていない若い世代を対象とした情報発信
(とっとり暮らし首都圏PRイベントの実施、電子広報の強化、子育て雑誌等の活用)
3 現状・課題
・「地域課題を解決したい」「地方で子育てしたい」「地方で結婚したい」等という若者の潜在的ニーズがあり、こうした若者を本県に誘導するためには、本県の地域課題、子育て環境、婚活情報等について、移住希望者に応じてきめ細かく情報発信することが有効と考えられる。
・(特に首都圏において)本県の認知度が高いとはいえず、例えば観光・物産の取組等と連携して、認知度の向上を図ることが有効と考えられる。
4 事業内容
(1)起業をテーマとした情報発信(対象者:地方での生業おこしや地域づくりに関心のある首都圏の若者など)
ア 【新規】若者人材の誘致
<概要>
・本県の地域課題、地域課題を解決するためのユニークな取組や人材を紹介するセミナーを首都圏で連続開催するとともに、本県での実践者のもとへのインターンシップをパッケージで行う。
※別途、受講者を雇用する団体への支援を行うことで、円滑な受入を図る(移住定住受入体制整備事業)。
・セミナーやインターンシップで取り上げた内容等を雑誌・電子広報に掲載し、本県の地域課題、取組や人材を情報発信する。
<事業費>
8,000千円(委託費)
(2)子育てをテーマとした情報発信(対象者:都市部の子育て世帯など)
ア 【継続】子育て・教育環境等のweb発信
<概要>
・子育て世帯向けの無料広報誌等に本県の子育て・教育環境に関するPR記事を掲載し、版権活用により電子媒体上でPRする。
・携帯電話サイトや都市部の子育て団体などを活用しながら、電子媒体を中心としたバナー広告やタイアップ広告を実施する。
・記者等によるとっとり暮らしの取材を支援し、SNSや記事等を通じて移住に結びつけるための情報を発信する。
<事業費>
・3,600千円〔3,220千円(委託費)、380千円(謝金・旅費)〕
※前年度 5,500千円(6月補正)
イ 【継続】親子連れに訴求するイベントの開催
<概要>
・子育て世帯を中心とした方々に、とっとり暮らしの日常を紹介し、鳥取県で暮らすきっかけづくりとなる親子で楽しめるイベントを首都圏で開催する。
<事業費>
・5,400千円(委託費) ※前年度 5,400千円
(3)地方暮らし全般をテーマとした情報発信(対象者:地方暮らしに興味のある都市部の若者など)
ア 【新規】移住をテーマとした番組の取材・ロケ誘致
<概要>
・移住をテーマとしたテレビ・ニュース番組の取材・ロケを誘致し、本県の魅力や取組を発信する。
<事業費>
1,500千円(委託費) ※成功報酬型
イ 【継続】「いいね!鳥取」動画の制作・web発信
<概要>
・移住実践者、移住者の受入団体に出演していただき、とっとり暮らしの魅力等をPRするための動画を制作し、SNS等を活用した情報発信を行う。
<事業費>
・1,500千円(委託費) ※前年度 1,570千円
ウ 【新規】岡山県と連携した情報発信
<概要>
・岡山県と連携して、共同アンテナショップにおいて、両県の移住希望者を対象に、移住実践者を交えた移住相談会・セミナーを実施する。
・岡山県と連携し、県境をまたいで隣接した市町村の協力を得て、両県の魅力ある生活・子育て環境等を体験する地方暮らし魅力発見ツアーを実施する。
<事業費>
・2,663千円(移住定住推進基盤運営事業を活用)
5 期待される効果
・地方で新しい働き方にチャレンジしたいと思っている人材、子育て世帯等の若者の移住
・外部人材による地域活力の創出
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
平成23〜26年度の移住2000人目標の達成に向けて取り組み、平成25年度で1年早く目標を達成した。(2172人)
これまでの取組に対する評価
人口減少・少子高齢化が相変わらず進行していることから、長期的に持続可能な地域社会を維持し活性化するには、若者の定住を通じた人口バランスの確保が急務。
企業立地が都市部中心、中山間地域は農林業中心の中、場所を問わず地域社会の担い手を確保するには、雇用の場の創出だけでなく、そもそも生業を有する方や生業を興すことのできる方の移住の推進(”人材”の誘致)が不可欠。
大都市のこうした若い層に”とっとり暮らし”を訴求するには、地域に移住者を受け入れ活性化しようとする地域を増やすとともに、起業、子育て環境等の情報発信を強化し、多様な選択肢を提供していく必要がある。