○PM2.5は粒子サイズが小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患のリスクの上昇が懸念されている。また、黄砂も飛来後に喘息症状が増悪すると報告され、大気粉じん等による健康被害が懸念されている。
○近年、中国における大気汚染が深刻化し、その一部が日本にも飛来するため、全国的に大きな関心を集めている。
○本県は地理的に大陸からの影響を受けやすく、黄砂や越境大気汚染による浮遊粒子状物質(SPM)、PM2.5の環境基準超過が観測されており、本県においても県民の関心は高い。
○喘息等の誘発には免疫毒性の関与が考えられるため、黄砂飛来期間に当所で採取した降下粉じんと黄砂発生源の砂の免疫毒性について評価した結果、当所で採取した黄砂粉じんの方が免疫毒性作用が強いことが分かった。
○これまでの調査では粗大粒子も含めた影響調査であったため、今後は、大気粉じんをサイズ別に分けて採取し、より肺の奥深くまで入りやすい微小粒子を中心に調査する必要があるため、本県での実態把握を行う。