1 事業目的
県東部を中心に近年急激に増加し、農林業被害のみならず、生態系被害やSFTS等ダニを媒介にした健康被害が懸念されるニホンジカについて、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づく指定管理事業実施計画を策定し、ニホンジカの捕獲事業を行い県森林環境の保全と農林業被害の軽減を図る。
2 事業内容
(1)要求金額
11,555千円
ア 指定管理鳥獣捕獲等実施計画策定事業
5,334千円
イ 指定管理鳥獣捕獲等事業
6,221千円
(2)要求の内容
ア 指定管理鳥獣捕獲等実施計画策定事業
森林環境破壊、土砂流出、感染症の媒介を行うニホンジカについて、計画策定調査及び計画策定業務の委託費を要求。
イ 指定管理鳥獣捕獲等事業
策定する指定管理鳥獣捕獲等実施計画に基づきニホンジカの捕獲を行う委託費を要求。
3 要求の理由
ニホンジカは農林業被害のみならず、土砂流出、森林環境被害、ダニ増による健康被害等、その被害は全国的に深刻化しており、個体数を減らすことが重要。
ニホンジカは捕獲者の嗜好性が低く、現在、有害鳥獣捕獲の捕獲奨励金を増額して捕獲を推進しているが、有害鳥獣捕獲は農林作物被害対策が主であり、その捕獲場所は、農耕地や里山地域周辺が中心となっている。
また、ニホンジカを減らすには、メスジカの捕獲が重要だが、身体がオスに比べて小さく、奥山に生息する傾向が強いメスジカは捕獲されにくい傾向にある。
ニホンジカによる奥山地域の森林衰退は、クマの集落出没の一因にもなっており、希少種の減少や土砂災害の懸念もある。里山地域は有害捕獲・狩猟で一定の捕獲が行われているが、奥山地域での捕獲が進んでいないこと、かつ奥山地域で被害が深刻化する傾向が強いことから、奥山地域を中心に指定管理鳥獣捕獲等事業の実施計画を策定して、捕獲事業で生息数の大幅減少を図る。
捕獲種 | 捕獲場所 | 主な捕獲方法 | 捕獲の特徴 | 捕獲の効果 |
有害捕獲 | 里山主体 | わな
一部銃 | オスが多く捕獲 | オスを捕獲しての生息数減少小
緩やかな個体数減少 |
捕獲事業 | 奥山主体 | 銃・わな | メスの集中捕獲可 | 奥山でのメス集中捕獲で大幅な個体数減少が期待 |