1 事業の目的
国定公園氷ノ山におけるシカの食害対策として、シカの個体数管理を行い、国定公園氷ノ山の生物多様性保全を図る。
2 事業の内容
氷ノ山の中でもシカ食害が顕著である自然探勝路周辺の被害軽減を図るため、電気柵の設置によりサンカヨウ群落を保全し、くくりワナ設置によりシカを捕獲する。
平成23年度から当該事業(電気柵設置・わな設置)を実施したことにより、サンカヨウ群落周辺でのシカ捕獲が進み、サンカヨウも回復してきており、また、国定公園内での希少植物の保全の取り組みとして十分にアピールもできており、引き続き事業を実施していく必要がある。
3 経費内訳
シカ捕獲・電気柵設置業務委託経費 1,419千円
(社会資本整備交付金(中国山地鳥取・岡山広域連携)活用
国1/2・県1/2)
※当初の計画では、平成26年度から当該事業を生態系維持回復事業として実施し、自然環境整備交付金(国45%)を活用することを予定していたが、自然環境整備交付金よりも補助率の高い、社会資本整備交付金(国50%)の活用が見込まれるため、活用する交付金の変更を行うこととする。
4 事業の背景
近年、県東部地域でシカの生息数が急増し、シカの食害被害が顕著となっている。国定公園氷ノ山においても県準絶滅危惧種サンカヨウをはじめとする希少な植物が被害に遭うなど、農林業だけでなく自然環境の面でも問題となっている。
これを放置すれば被害は加速度的に拡大し、氷ノ山の植生が一変する恐れもあるため、生物多様性保全の観点から対策を講じてきたが、平成23年度から当該事業を実施してきたところ。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
平成22〜25年度に対象箇所へのくくり罠設置、平成23〜25年度には氷ノ山探勝路周辺のサンカヨウ群落に電気柵を設置。また、平成23年度には前述のシカの捕獲及びサンカヨウの保全に併せて氷ノ山国定公園内のシカによる食害被害状況調査を実施
これまでの取組に対する評価
シカは電気柵内には進入しておらず、シカの食害対策として電気柵の効果は十分にあることが検証された。サンカヨウも徐々に増えつつある。
また、くくり罠についても平成23年度11頭、平成24年度で14頭、平成25年10月24日現在で17頭捕獲済み。