1 事業概要
県産スギ厚板材を使った耐震リフォームに活用できる耐力壁の開発を行う。
2 事業の背景・目的・効果
(1)背景
○今後は耐震リフォーム需要が増加していく。
・建築基準法改正以前に建設された木造住宅は、耐震を考慮したリフォームが必要であり、今後は耐震リフォーム需要が増加することが見込まれている。
○県産無垢材の活用を熱心に行っている工務店が多い。
○優れた伝統的技術を有している大工が存在している。
○価格以外の領域で特長を出していくことが必要である。
・県内工務店は戸建て住宅の坪単価で、大手ハウスメーカーに対抗するのは困難であり、坪単価以外の領域で大手ハウスメーカにはない特長を出していくことが必要である。
○特長ある構法の性能を実証することが出来ない。
・優れた伝統的技術を生かせる、現代の木造住宅に適した活用方法を検討し、それら構法の構造耐力上の性能を実証することが求められている。しかしながら、県内工務店は実験施設を自前で建設し所有しているところはなく、新しい構法の性能を実証することは極めて困難である。
(2)目的
○現代の木造住宅の中で生かすことのできる、県産材と伝統技術を有効に活用した耐震リフォームに活用できる構法を開発し、耐震性の向上、県産材の需要拡大、県内工務店への技術支援、及び技術の継承につなげる。
3 事業の成果
耐震リフォームに設置しやすい天井と床を壊さず設置できる壁を開発した。壁倍率としては2.5倍〜1.5倍程度の耐力壁であった。また、実験に当たり公開実験として建築関係機関へ参加をいただき実施を行った。
耐震を行う既存住宅の基礎の状況に合わせた壁倍率の使用によりリフォームする施主の選択肢が広がった。
4 残された課題
試験研究課題で開発された耐力壁の普及を図るには、法的な認定等を行い、県内の建築企業が施行できる体制が必要。