(1)背景
・県内ヒノキの約6割が6〜10齢級と今まさに伐期を迎えている。また新規造林の約6割もヒノキである。
・ヒノキA材は高価格で取引され、木造住宅の中では化粧材として利用されているのに対し、ヒノキB、C材は3,000円/m3程度で取引されており、価値の向上が求められている。
・県内木造住宅の横架材は、主としてアカマツが利用されていたが、マツ枯れにより現在は生産されておらず、現在はベイマツ、オウシュウアカマツが占めている。
(2)目的
・安値で取引されているヒノキB、C材の価値の向上を図る。
(3)効果
・県内林家の収入増加が期待できる。
・更なる間伐の推進により、県土の保全を図ることができる。
(1)ヒノキB、C材の強度性能
・ヒノキB、C材の平角材(120×210×4000)について、実大曲げ強度試験(曲げヤング係数、曲げ強度)を行った。その結果、国土交通省告示1452号に示されたヒノキ無等級材の基準強度をほとんどの試験体が超えていることが明らかとなり、住宅用建材として利用できることを示すことができた。
(2)住宅用建材への利用について
・ヒノキB、C材の平角材は、曲がり材の場合は目切れが見られることと、節が多いまたは大きい節が材面に現れることが特徴としてみられた。曲がりによる目切れは強度性能に対し影響がみられなかったが、材の中央付近に現れた節が大きくなるにつれ強度性能が低くなる傾向がみられた。よって、これら材を利用するときには、節の大きさなどの選別をさらに行うことを提案することができた。