1、背景
境港が北東アジアゲートウェイとして機能するためには、日本海拠点港として選定された「国際海上コンテナ」「外航クルーズ」、「原木」の3機能の強化が重要であり、これに合わせて、「国際フェリー・RORO船」「リサイクル貨物」の機能についても強化することにより、利用実績を上げていくことが不可欠である。
2、事業の内容
平成27年6月以降に配船打診を受けているクァンタム・オブ・ザ・シーズ(17万トン級)を境港外港昭和南地区(昭和南1、2号岸壁)に受け入れ可能となるようにするため、対象船舶の操船シミュレーション等を実施し、航行安全対策検討委員会において検討するもの。
※米国の船会社であるロイヤル・カリビアン・インターナショナル(以下「RCI」という。)が新造船のクァンタム・オブ・ザ・シーズを平成27年6月〜通年で日本に寄港する旨の公式発表があり、上記発表の際、ロイヤル・カリビアン・クルーズリミテッド(RCIのクルーズ部門を担当する子会社)から「2015年はクァンタム・オブ・ザ・シーズを境港に数回寄港させる予定」との発言があった。
【今後のスケジュール】
平成26年7月〜10月 航行シミュレーション
航行安全対策検討委員会
7月 第1回委員会
11月 作業部会
2月 第2回委員会(最終報告)
1〜5月 施設整備
※施設整備は11月の作業部会で概ねの方向性が定まるため、同時進行が可能。
【境海上保安部との関係】
港則法により、境港内の岸壁等係留施設管理者は当該係留施設を船舶の係留等に使用するときは、あらかじめ境港長(境海上保安部長)に届け出なければならないこととなっている。
3、事業費
C=17,000千円
【内訳】
操船シミュレーション 7,000千円
基本、総合シミュレーション 4,000千円
航行安全検討資料作成 4,000千円
施設整備必要性検討 2,000千円
4、今回行う必要性
今回の17万トン級のクルーズ船は13万トン級に比べて
1、船長(348m)が長く(+37m)、回頭円が泊地内で確保できない。
(技術基準では、直径が船長の2倍(696m)の回頭円を必要としているが、境港においては、650m程度しか確保できない。)
2、船長(348m)が航路幅(300m)よりも長いこと
(技術基準では船長の1.5倍(522m)の航路幅が必要だが、境港においては、300mしか確保できない。)
から、受け入れ可能かどうか操船シミュレーションを実施して確認し、航行安全対策検討委員会において検討するよう境海上保安部の指導があったことによる。
(現在、昭和南1、2号岸壁において、検討済の船舶は13万トン級が最大)
5、平成25年度航行安全検討事業との相違点
平成25年度の航行安全対策検討の内容は、RCIの超大型クルーズ船(22万トン級)の東アジア配船意向により外港竹内南地区に整備予定の貨客船ターミナルにおいて受け入れ可能かどうか検討したものであり、昭和南地区における13万トン級を超える船舶の検討については未実施である。
6、その他
施設整備必要性検討の結果、クァンタム・オブ・ザ・シーズ(17万トン級)を境港外港昭和南地区(昭和南1、2号岸壁)に受け入れ可能とするため、係船柱、防舷材等の増設が必要となる場合がある。
施設整備(想定) C=40,000千円