■従来の湖沼水質調査(船による定点調査)では、下記の課題があった。
○広大な面積を有する湖沼の水質をごく限られた定点の結果で評価しなくてはならない。
○刻一刻と変化する湖沼環境の変化を捉えることが難しい。
○これを克服するためには、測定点を増やし、頻度高く調査することが必要となるが、人員面・コスト面の問題により限界がある。
■この問題を解決するため人工衛星の画像を利用したリモートセンシング技術の開発を行っている。
○湖山池の分光放射特性から精度の高いクロロフィルa推定法を見出した。
○しかしながら、現在運用中の衛星センサーの波長帯とは一部異なる波長を利用するため、見出した方法を直ちに利用することが困難である。
UAV(無人航空機)を利用した湖沼観測システムの開発により、以下の効果や活用が期待できる。
○船上からの現地調査では得られない面的なプランクトンおよび水生植物の発生状況を全湖レベルで可視化できる。
→海藻や植物プランクトン大発生時の全体像やホットスポットの把握により効率的な抑制対策に大きく貢献。
○中海における海藻分布状況も全湖レベルで詳しく把握することができる。
→ 中海で進められている藻狩り事業の効果的な推進につながる。
○加えて、緊急時(魚類斃死等)の広域観測に応用する。