1 事業概要
県立特別支援学校に在籍する生徒が作業学習等で身に付けた知識、技能、態度等を一定の基準により評価することにより、「働く力」「働く意欲」等の一層の向上を図り、卒業後の職業的自立と社会参加を目指す。
2 背景・必要性
・特別支援学校3校に就労サポーターを配置し、各圏域における積極的な職場開拓を進めている。
・高等部生徒の就職率の向上(平成20年:20.8%→平成24年:35.7%)。全国的にも高い割合であり、厳しい状況にあっても成果は確実に上がりつつある。
・琴の浦高等特別支援学校の開校(平成25年4月)。卒業予定者は全員企業就労を目指す。
・働きたいという意欲を持った生徒の増加(平均して年間の卒業生の3割強)。割合は在籍者数の関係から、知的障がい特別支援学校の生徒が最も多い。
・勤労等に係る経験の不足により自信が持てず、指示待ち傾向の生徒、自己肯定感の低い生徒等が見られる。
3 問題・課題点
・厳しい社会情勢の中、就職先の決定は容易ではない状況。
・現場実習及び就職の受入企業開拓に引き続き努め、就職を希望する生徒の進路を保障する必要がある。
・企業への啓発だけでなく、生徒の働く意欲、働く力(知識、技能、態度等)を最大限育成する教育が重要である。
4 対応策(事業内容)
(1)企業団体等と連携した特別支援学校版の技能検定の実施
○実施時期(予定) 平成26年11月〜12月上旬
○実施内容(予定) 清掃部門検定
※実施の成果を踏まえ、他分野の導入へと拡大
[清掃部門を選定した理由]
鳥取労働局からの聞き取り・・・移行支援事業所も含め、清掃分野における知的障がい者雇用のニーズは少なくない。事業所としては製造や接客等に比べると、比較的容易に労働環境を整備しやすいのも特徴。作業手順等の指導もしやすい。今後、一層の雇用拡大が期待できる。
○参加校(予定) 県内の特別支援学校生徒
○実施概要(予定)
実施種目は次の5種目とする。
(テーブル拭き・自在ぼうき・モップ・ダスタークロス・スクイージー)
・開会式
・検定スタート
・閉会式、認定証授与
(2)校内技能検定の先行実施
○取組概要
・各学校の実態に応じた、校内検定の実施
(例)県の実施する技能検定(清掃部門)や県障害者技能競技 大会の校内予選会としての実施
各学校における作業学習と関連づけた校内検定の実施
○実施予定校
白兎養護学校、倉吉養護学校、琴の浦高等特別支援学校、県立米子養護学校
5 予算額
(単位:千円)
取組概要 | 要求額 | 内容 |
指導用教材作成 | 488 | 報償費、特別旅費、普通旅費
委託費等 |
開催実行委員会 | 24 | 報償費、特別旅費、普通旅費 |
技能検定運営経費 | 302 | 報償費、その他需要費 |
清掃備品等購入 | 1,700 | 備品購入費 |
計 | 2,514 | |
6 期待される効果
・生徒が検定に向けて、向上心を持ち技能向上に努める
・生徒が将来の職業的自立を目指し、意欲的に学習に取り組む
・評価により自信を高め、生徒の自己肯定感が高まる
・検定による評価が企業等にも認められ、関係企業への就職率が向上する
・指導書等の作成により、求められる技能等が明確になるため、教員が指導しやすい