これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
・温度、光の制御による花き栽培コストの低減
・生産現場で利用できるEOD栽培技術を本県推進品目毎に組み立てる
<取り組みの内容>
・キク(春彼岸出荷)、花壇苗類(早春出荷)のEOD加温(保温)による低コスト生産技術の確立。
・トルコギキョウ(年末・早春出荷)、ストックのEOD光照射による開花制御技術の確立。
・花壇苗(宿根草類)におけるEOD処理の反応性が高い新規品目の検索。
<現時点における達成度>
・試験は秋〜春に行うことから、今年度(試験4年目)はこれから処理を開始する。これまでの試験結果から、
・キク・・・EOD加温は開花が促進することが明らかになった(達成率50%)。
・花壇苗・・・温床による育苗でEOD変温管理を行うと、多くの品目の生育が旺盛となった。また、特に反応性の高い品目8草種が明らかになった(70%)。
・トルコギキョウ・・・市販の白熱灯でも遠赤色光(試作電球)と同様、3月末から開花し、同等の効果が得られた(達成率70%)。
・ストック・・・市販の白熱灯のEOD3時間照射で、開花が著しく早まった(達成率70%)。
・新規品目検索・・・アスター、ルドベキアなど花壇苗9品目に赤色光をEOD照射すると、開花が著しく早まった(完了)。
これまでの取組に対する評価
<H25年度の外部評価(中間)の結果>
評点:12.8 判定:◎
(評点10以下は再考)
委員の主な意見
(1)新たな知見が得られていることから、一層の研究発展を期待する。
(2)まさに、研究所でしかできない素晴らしい研究成果。今後の3年間が楽しみ。
(3)LEDの地元メーカーとの協働研究成果と課題が明確になっている。また、結果を出す目処も明確である。
(4)加温と光照射のいいとこ取りで、大きな成果を上げるところに着目したことを評価したい。
(5)大きな成果を上げつつあり、期間延長の効果があると判断する。
(6)H25年終了項目の目標に対しても、期待以上の成果が上がっており、大いに評価できる。
(7)花生産者の所得向上に効果的と考える。
<自己分析>
・これまでの試験により、全国に先駆けて、日照条件の悪い本県でもトルコギキョウ等を効率良く生産できる可能性が明らかになった。今後は、現場への普及に足りないを部分を早急に整理し、データを積み上げる必要がある。
・トルコギキョウの他にも、EOD加温やEOD光照射に対し、反応性の高い草種が明らかになりつつあることから、省エネや生育促進につながる技術組み立てを行う必要がある。
<改善点>
・技術確立間近なトルコギキョウについては、現地試験圃を設けるなど、現場からの問題点を洗い出す。
・県内企業と開発中の遠赤色光LED照明(白熱灯代替)の実証をすすめる。
・その他の品目については、さらなる低コスト化を目指してEOD低温管理法や、省エネ効果が最も高いEOD加温+光照射の併用効果について検討する。