事業名:
バイテクによるナガイモおよびラッキョウ新品種の育成
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農林水産部 園芸試験場 生物工学研究室
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
非常勤職員 |
臨時的任用職員 |
26年度当初予算額 |
3,257千円 |
15,478千円 |
18,735千円 |
2.0人 |
1.6人 |
0.0人 |
26年度当初予算要求額 |
3,257千円 |
15,478千円 |
18,735千円 |
2.0人 |
1.6人 |
0.0人 |
25年度当初予算額 |
3,321千円 |
15,888千円 |
19,209千円 |
2.0人 |
1.6人 |
0.0人 |
事業費
要求額:3,257千円 (前年度予算額 3,321千円) 財源:単県
一般事業査定: 計上額:3,257千円
事業内容
概略説明
砂丘地農業の再生・振興を目的として、省力栽培に適した高品質なナガイモ新品種およびラッキョウ新品種を育成・実用化し、鳥取オリジナル品種による産地のブランド化を目指す。
1 事業の必要性
(1) ナガイモ
| ナガイモ(生産戸数114戸、面積15.1ha、販売量420t)、
ねばりっ娘(生産戸数94戸、面積12.8ha、販売量430t) |
ア | 国内市場は価格が低迷し、県内生産量の減少が著しい。ねばりっ娘は粘りが強く、高値販売されており、新品種に対する生産者の期待は大きい。 |
イ | ねばりっ娘は種芋の育成に2年間必要であり、手間がかかる。また、不萌芽の種芋が発生しやすいため、収量が減少し、形状が乱れ品質が低下する。さらに、ねばりっ娘は炭疽病やセンチュウに弱いと指摘されている。 |
ウ | そこで、生産者から、粘りが強く、種芋の育成が容易、欠株がでない、ナガイモと同等の耐病虫性を有する品種が望まれている。 |
(2) ラッキョウ
| (生産戸数 504戸、面積 207ha、生産額 12.9億円/H23) |
ア | 鳥取産の砂丘ラッキョウはカビの病気である乾腐病に非常に弱く、この病気を防ぐためには、高価な農薬での種球の消毒および冷蔵保存を行うなど多労とコストを要する。そこで、栽培農家からは、乾腐病に強い系統の開発が強く望まれていた。 |
イ | 近年、消費者の需要が高く高値での販売が期待できる中玉系統(洗い用)の耐病性品種の新たな開発が強く望まれていることから、中玉品種育成に特化して取り組んでいる。 |
ウ | 産地からは、鳥取産ラッキョウのブランド力を維持あるいは向上させるため、従来品より食味が良く、機能性の高い新品種の開発・育成が望まれている。 |
2 事業の内容
(1) ナガイモ新品種の育成
ア | 胚培養を用いて作出する交雑種の中から、下記の特性を持つ品種を育成し、実用化を図る。 |
| ・とろろの粘りが強く、風味がある(良食味)
・掘り取りが楽な太く短いダイコン型(省力化、オリジナルの形状)
・種芋の養成が容易、萌芽しやすく欠株が少ない(省力、安定裁培)
・センチュウや炭疽病、ウイルス等に対してナガイモと同等以上の耐病害虫性を有する(容易な栽培、低コスト) |
イ | ツクネイモなどを交配に用いて、さらに強い粘りを持つ品種や砂丘畑以外での栽培を可能にする品種の育成 |
ウ | 事業の流れ
人工交配 → 胚培養よる雑種の作出 → 有望系統の選抜 → 実用性試験 → 産地適応性試験・種苗増殖 → 品種登録 →普及 |
(2) ラッキョウ新品種の育成
ア | 子房培養を用いて作出する交雑種の中から、下記の特性を持つ品種を育成し、実用化を図る。 |
| ・乾腐病に耐病性である。
・在来の系統より、収量性、食味、機能性が優れる。 |
イ | 事業の流れ
人工交配 → 子房培養による雑種の作出 → 乾腐病に強い系統の選抜 → 高収量・良食味・高機能性系統の選抜 → 産地適応性試験・種苗増殖 → 品種登録 → 普及 |
3 事業の効果
(1) ナガイモ新品種の育成
ア | 鳥取のオリジナル品種として高値有利販売が期待できる。
効果概算: 3億円 (普及面積30haと算定、単価450円/kg) |
(2) ラッキョウ新品種の育成
ア | 乾腐病対策の高価な農薬費や種球の冷蔵保存の労力・コスト等が削減できる。
効果概算
農薬費を10万円削減、作業時間を100時間削減、冷蔵保管費を4.3万円削減、20kgコンテナ×390個の往復輸送が不要(福部町の平均的生産者の場合) |
イ | 鳥取オリジナルの良食味・高機能性品種の低農薬栽培による本県産のブランド力アップおよび有利販売 |
(3) 砂丘地農業の再生
ア | 県内の砂丘地において、作付面積が減少しており、砂丘地農業の荒廃が進んでいる。最近では、砂丘地でのタバコ栽培の激減が大きな問題となっている。そこで、ラッキョウ及びナガイモの新品種等を産地に普及させ、砂丘地農業の再生・振興を図る。 |
4 これまでの成果
(1) ナガイモ新品種の育成
| ねばりっ娘と形状及び粘りが同等で、萌芽率が高く種芋の育成が容易で、ねばりっ娘よりも食味がよい有望な1系統を選抜した。現地ほ場3か所及び場内ほ場で実用性評価を行った結果、収量性がやや劣った。ウイルス病が原因と判明し、植物ワクチンの接種試験を実施中。また、新たに有望と思われる系統を平成23年度に4系統、平成24年度に2系統選抜した。 |
(2) ラッキョウ新品種の育成
| 乾腐病に強く、食味の良好な選抜系統については、現地での有機栽培試験において、在来系統よりも優れる評価で、現在種苗登録の申請準備中である。
また、乾腐病に強く、収量性が高く有望と思われる中玉系統を新たに4系統選抜した。
新たに中玉の耐病性優良系統を選抜・育成するために、569系統の交雑種を作出した。 |
5 平成26年度の試験内容
(1) ナガイモ新品種の育成
| 選抜した1系統については、接種した植物ワクチンの効果を確認する。
また、新たに作出した雑種の中から有望な系統を選抜する。 |
(2) ラッキョウ新品種の育成
| 選抜した系統については、現地適応性試験を実施する。
新たに耐病性中玉系統を選抜するため1000系統以上の交雑種を作出し、これらの中から乾腐病に強い系統を一次選抜する。 |
6 平成26年度要求額内訳
内訳 | 要求額(千円) |
会議、学会等への出張費 | 208 |
組織培養及び栽培管理費(資材、試薬等) | 2,972 |
委託料(ラッキョウ現地試験) | 57 |
役務費(通信運搬費等) | 20 |
合計 | 3,257 |
7 事業実施期間
平成17〜26年
年度 | 事業内容 | 事業費(千円) |
17〜24 | 交雑種の作出、有望系統の選抜、耐病性系統の選抜 | 25,286 |
25 | 栽培特性調査、
食味・機能性調査、
産地適応性試験、種苗増殖 | 3,302 |
26 | 産地適応性試験
種苗増殖
品種登録 | 3,257 |
合計 | | 31,845 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
特徴ある鳥取オリジナル品種の育成
・ナガイモとラッキョウの新品種を育成し、実用化する。
<試験の取り組み内容>
1 ナガイモ新品種の育成
・ねばりっ娘と形状及び粘りが同等で、萌芽率が高く種芋の育成が容易で、ねばりっ娘より食味がよい有望な1系統を選抜した。現地ほ場3か所及び場内ほ場で実用性評価した結果、収量性がやや劣った。ウイルス病が原因と判明し、植物ワクチンの接種試験を実施。また、平成23年度に4系統、平成24年度に2系統を有望と認め選抜した。
2 ラッキョウ新品種の育成
・乾腐病に強く、食味の良好な選抜系統については、現地での有機栽培試験において、在来系統よりも評価が優れ、種苗登録の申請準備中である。
・乾腐病に強く、収量性が高く有望と思われる中玉系統を新たに4系統選抜した。
・新たに中玉の耐病性優良系統を選抜するために、569系統の交雑種を作出した。
<現時点における達成度>
・ナガイモ新品種の育成 60%
・ラッキョウ新品種の育成 80%
これまでの取組に対する評価
<評価>
1 平成21年度の外部評価(中間)の結果
評点 4.07 (評点2.8以上で試験が実施できる)
・評価委員の主な意見
「ナガイモもラッキョウも鳥取県にとって大きな作物。継続して研究を進めて欲しい。」
2 研究推進会議での意見(平成24年度)
・ラッキョウは中部および東部にそれぞれ適応した中玉系の耐病性・早生性品種を早期に育成してほしい。
<評価のまとめ>
・ナガイモ、ラッキョウとも有望系統が選抜できており、実用化に向けた取り組みが始まり、目標達成に対する可能性が見えてきた。産地間・品種間競争が激化する中、新品種の育成は急務であり、必要なことである。
<改善点>
1 これまでの試験で判明した有望系統の特性を元に、実用性試験に取り組み、生産現場での評価を進める。
2 雑種からの選抜効率を高めるために選抜方法を改良する。
工程表との関連
関連する政策内容
オリジナル品種・高付加価値化技術開発
関連する政策目標
特徴ある鳥取オリジナル品種の育成
財政課処理欄
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
3,321 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3,321 |
要求額 |
3,257 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3,257 |
財政課使用欄(単位:千円)
区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
計上額 |
3,257 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3,257 |
保留 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
別途 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
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0 |