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平成26年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  政策戦略事業要求      支出科目  款:土木費 項:土木管理費 目:土木総務費
事業名:

建設技能労働者の労働環境改善と若年者の確保・育成事業

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県土整備部 県土総務課 建設業担当  

電話番号:0857-26-7454  E-mail:kendosoumu@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
26年度当初予算額 4,564千円 1,548千円 6,112千円 0.2人 0.0人 0.0人
26年度当初予算要求額 4,564千円 1,548千円 6,112千円 0.2人 0.0人 0.0人
25年度当初予算額 0千円 0千円 0千円 0.0人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:4,564千円  (前年度予算額 0千円)  財源:単県 

政策戦略査定:計上   計上額:4,564千円

事業内容

1 現状と課題

◆ 近年の建設業は、建設投資の減少により受注競争が激化し、厳しい経営環境にあり、技能労働者の賃金低下や社会保険未加入等の労働環境の悪化により、若年入職者の減少が続いている。

    ◆ 建設業は、県民の生活基盤となる社会資本整備や災害対応を行うなど重要な産業であり、また、技能労働者の育成には一定の期間を要することから、今適切な対策を講じなければ、熟練工から若手へ技能継承がされないままに技能労働者が減少し、近い将来、人材不足により、社会資本の維持・更新にも支障を及ぼす恐れがある。
    なかでも、技能労働者集団であり建設業を下支えしている専門工事業者(とび、鉄筋、型枠、塗装、大工、内装など)は、主に下請け工事を担う弱い立場にあることから適正な請負金額の確保が困難な場合が多いとの意見が多く、労働環境の悪化、若年労働者の減少、若手入職者の確保や育成困難といった課題が元請を担う総合建設業者よりも一層顕著化。

    <建設業界における課題>(鳥取県建設業協会調べ等)
    建設業界○建設業の市場は縮小傾向にあり、雇用情勢は厳しいが、一定の技術者数が必要であり、特に若年層の雇用に力を入れなければならない。
    ○若年層雇用後、技術力の習得と継続雇用に結びつく各社の教育と工夫が必要である。
    学 生 側○建設業界の魅力が薄れている。(労働条件、業界の将来など) 
    企 業 側○即戦力を求める。(育成する時間と資金的な余裕がない。資格の有無。)
    ○若年層を求人しても応募がない。若年層を雇用しても長続きしない。


    <若年技能労働者が入職しない原因等>
    【人的原因】
    1 収入の低さ         2 仕事のきつさ
    3 休日の少なさ        4 作業環境の厳しさ
    5 職場イメージの悪さ     6 社会保険等福利の未整備
    【社会的原因】
    (1)工業系学校の減少 
    (2)大卒者は県外大手ゼネコンに就職 
    (3)建設業界の見通しが不透明

2 建設技能労働者の労働環境改善に向けたこれまでの取組

◆ 平成25年度公共工事設計労務単価を引上げ(前年度比約11.8パーセント、以下「新労務単価」という。)、予定価格に法定福利費等を反映させた。
◆ 知事から建設業団体に対し、技能労働者の適切な賃金水準確保と社会保険への加入徹底等を要請した。
◆ 賃金支払い等実態調査(フォローアップ調査)を行い、賃金水準等の実態を把握した。

【フォローアップ調査結果と調査結果から見える課題等】

○4月に新労務単価へ契約変更した工事について、約8割の企業が自社の賃金又は下請けの労務単価を引上げ(予定含む)ていた。
○賃金水準を引上げた主な理由は、
 1 「若者の入職促進など業界の発展に必要」
 2 「設計労務単価の上昇」等
 であり、各企業に適正な賃金水準確保の必要性を理解され、これまでの取組が一定の成果を上げつつある。
○ただ、賃金水準が引き上げられない主な理由は、
 1 「請負金額が低い」
 2 「経営の先行きが不透明」
 であり、
技能労労働者の適切な賃金水準確保の確保が可能な請負金額や下請金額の徹底(下請へのしわ寄せ防止対策)が必要。

3 取組みの必要性

 労働環境の悪化、若年労働者の減少、若手入職者の確保や育成困難といった課題は、フォローアップ調査結果から見える課題「請負金額が低いこと」が主因と考えられるが、労働環境改善等建設業界の課題解決に向けた取組みを加速させるためには、まず最初に、建設業の重層構造の中で弱い立場にあり、適正な請負金額の確保が困難との意見が多く寄せられる下請業者に特化した取組みが必要。

4 事業内容

1 技能労働者の労働環境改善事業

(1)賃金水準等の詳細調査

C=4,464千円
    ◆社会保険料を確実に確保するために今年9月26日から全国一斉活用を申し合わせた標準見積書について、県工事受注者に対して県に提出する下請施工体系図に標準見積書写しの添付を契約で義務付けし、活用を促す。
    ◆これにより収集した下請取引額を発注工事設計金額と比較分析し、下請内容別に賃金水準等を把握する。
      ⇒取引事実に基づく、具体的な賃金水準額の把握

    (2)下請へのしわ寄せ防止対策の強化
C=100千円
    ◆標準見積書により把握した具体的な取引価格について、その額が設計金額の9割を下回る場合は、立入詳細調査を実施する。当該立入調査で2重帳簿等を疑わせるような悪質な事案が発見された場合は、税理士等の専門家に依頼して事実関係を確認し、文書指導等で改善を促す。
    ◆立入調査後文書指導等を受けた受注者については、工事成績点数についてマイナスの評価を行うなど一定のペナルティを検討し、自由取引を原則としつつも9割以上の価格で下請取引が行われるような工夫を措置する。

    2 建設技能労働者の若年者の確保・育成事業
    (1)人材の確保
     1の労働環境改善事業により適正な賃金水準が確保できる請負額が確保され、社会保険等への加入が促進されるなど就労環境改善が図られることにより、自立的に若年者が確保されることを原則とする。
    (2)人材の育成事業
(標準事務費対応)
(債務負担行為C=4,846千円)
     人材の育成は現場において行うのが原則であるが、これまでの厳しい価格競争により、熟練技能労働者が最大の能力を発揮して施工することを前提とした請負額での取引が行われているとの意見が多く、技能を持たない若年者を現場で使用し、育成する時間と資金的余裕がない状況。
    ◆国の建設労働者確保育成助成金、キャリアアップ助成金といった活用できる制度を周知し、活用を促進する。
       ・計画・申請書作成相談窓口の紹介
       ・モデル事業者による活用事例紹介パンフ作成委託
    ◆専門工事業者の団体等と意見交換を行い、既存の助成金制度の有効性や現状とのミスマッチの状況を確認し、より有効な支援方法等を検討する。
       ・意見交換、支援策検討会の開催
       ・国助成対象外のものの現場実習、資格取得の試行的支援(1年限り)   (債務負担行為)

    3 賃金支払水準等実態調査
(標準事務費対応)
     これまでの厳しい価格競争により下請業者はもとより、元請業者も企業体力を消耗し労働環境を悪化させている状況に変わりはない。引き続きフォローアップ調査を実施して、業界全体の賃金水準確保等の動向を把握し、設計労務単価の引上げや技能労働者の労働環境改善のための取組反映状況を把握する。

5 必要経費

必要経費合計  C=4,564千円 (債務負担4,846千円)
◆賃金水準等の詳細調査
 C=4,464千円
◆下請へのしわ寄せ防止対策の強化
 C=100千円
◆人材の育成事業
 標準事務費対応
 (債務負担4,846千円)
◆賃金水準等支払実態調査
 標準事務費対応

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

これまでの下請けへのしわ寄せ防止対策として、
<工事発注時>
  ・「建設業法令遵守ガイドライン」を配布
<施工時>
  ・施工現場実態調査員による調査
  ・下請施工体系図、下請報告書の徴収
<施工終了後>
  ・建設工事下請取引等点検調査
により行ってきたが、賃金水準の確保等労働環境改善の観点からの全国的取組は、今年度の公共工事設計労務単価の引上げ等の取組が初めて。この取組の成果が確実なものとなるよう、関係団体への更なる働きかけや新たな取組の検討を行っていく必要がある。

これまでの取組に対する評価

下請取引の適正化は、建設業界のこれまでの重要な課題でありながら、解決困難な課題の一つ。
今年度から本格的に始まった労働環境改善の取組の成果は、県フォローアップ調査では約8割の企業で適正な賃金水準確保の措置を講じたことが伺われ、一定の成果が見えてきたところ。

財政課処理欄


 人材の育成事業にかかる訓練計画書の作成等については、既存の相談窓口による支援により対応してください。また、需用費、使用料及び賃借料については、標準事務費(枠内)で実施してください。
 賃金支払水準等実態調査については、平成25年度と同様、県直営で実施してください。 

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 0 0 0 0 0 0 0 0 0
要求額 4,564 0 0 0 0 0 0 0 4,564

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 4,564 0 0 0 0 0 0 0 4,564
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0