設備の老朽化、医療の高度化等により病室の療養環境が悪化していることから、圏域の中核病院、急性期病院として適切な環境整備を行うため、次の工事を行う。
なお、工事は、ファンコイルユニットを使用しない春季、秋季に合わせて年次的に実施する予定(H26〜27)。
(1)病棟ファンコイルユニット(※)及び接続配管の更新
老朽化した病棟のファンコイルユニット(以下「FCU」という。)257台とこれに接続する配管を更新することにより、入院患者の療養環境の改善を図る。
- 現在設置しているFCUは、病棟新築の際(昭和61年)に設置されたものであり(耐用年数の15年を超える27年間使用)、FCU本体の老朽化により温度調節機能が低下する等の問題が生じており、またモーター等の故障も散発している。
(故障による緊急修理:H24年度:8機、H25年度:2機(9月
末時点) )
- FCU本体に接続する冷温水配管に施されている保温剤の劣化による結露の発生により結露水が入院患者のベッド周辺に滴下する事案が本年度相次いだ。現在はFCU内に吸水シートを敷設して対応中。(結露の発生により、FCU内部に相当量のカビが発生しており、送風時のカビ臭で病室の療養環境が悪化している。)
※ファンコイルユニット:熱交換器で室内から取り入れた空気の温
度を配管を流れる冷水(夏期)や温水(冬期)により調整し、空調
場所へ送風する冷暖房機器。FCUの耐用年数:15年
(2)医療ガスアウトレット(※)の増設
(医療ガス主幹配管等の増設、吸引ポンプの更新等を含む)
各病棟の6床室2室(呼吸器内科が主体の6階病棟のみ3室)の医療ガスアウトレット(以下「アウトレット」という。)を2か所から4か所に増設することにより、医療安全の向上を図る。
- 現在すべての6床室には2か所(2床分)しかアウトレットがなく、酸素の供給や吸引が必要となった患者が増加した場合は、病室を入れ替えるなど病棟内さらには病棟間でやりくりをしている状況であるが、患者の受け入れや急変時の迅速かつ安全な対応に不安がある。
- 新築当初(昭和61年)は酸素の供給や吸引が必要な患者が今よりも少ないことを想定して設置されたものと思われるが、その後の医療技術の高度化や患者の疾病構造の変化等に伴いこれらの処置が必要な患者が増加している。
- ナースステーションに近接した6床室2室(6階病棟のみ3室)にアウトレットを増設することにより、患者の受け入れや急変時の対応をスムーズに行えるようにし、医療安全の向上を図る。
※医療ガスアウトレット:医療ガスを使用する機器(酸素吸
入器など)や吸引装置の取付口