1 薬剤師確保対策の現状
(1)H24年度から(一社)鳥取県薬剤師会と連携して、鳥取県薬剤師確保対策推進事業(補助事業)を開始、H26年度も引き続き実施。
・大学の就職ガイダンス参加
・広報・募集チラシ等作成・配布
・未就業者登録・マッチング事業、復職支援プログラム
・薬学生インターンシップ受入れ(随時)
(2)県における薬剤師の需給状況調査の実施。
(3)(一社)鳥取県薬剤師会における無料職業紹介所の実施。
2 背景
○薬学部6年制化に伴い、平成22、23年3月の薬剤師国家試験合格者は平年より大幅に減り、その後、6年制化後の卒業生の受験が始まったが、合格者数は、6年制化以前に予想された合格者数(1万1千人)よりかなり少ない状況。
○特に、26年3月の試験では、7,312人(合格率60.8%)と激減した。
○山陰地方には薬学部がないため、県外に進学した薬学生が、そのまま県外就職することも多く、6年制化以前から慢性的に不足感が強かった状況がさらに悪化している。
○また、平成24年度の診療報酬改定で、病院では「病棟薬剤業務実施加算」、調剤薬局では「在宅患者調剤加算」が新設され、薬剤師の需要増による薬剤師不足に拍車がかかっている。
3 新たに取り組む内容等
(1)薬学生サマーセミナーの実施
(一社)鳥取県薬剤師会や鳥取県病院薬剤師会と連携して次のような事業を実施。
【目的】
これから薬剤師となる薬学生を対象に、県内の病院、調剤薬局において、薬剤師のチーム医療への関わり、在宅医療やセルフメディケーション※支援への取組等の現場を体験してもらい、薬剤師の業務の理解を促し、薬学生の卒業後の進路検討や県内就業促進につなげる。
※セルフメディケーションの定義(世界保健機関(WHO))
「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分 で手当てすること」
【実施内容】
○薬剤師業務の実地研修(見学、体験等)
○交流会(研修終了後に実施、東・西部地区2か所で実施)
【実施施設】 病院、調剤薬局
【実施場所】 参加者が希望する病院、調剤薬局
【日程】 8月中旬の2日間(県外学生の帰省時期に実施)
【役割分担】
<県> 参加募集、参加申込受付、参加希望者・病院等との 連絡調整、交流会設定、実施広報
<病院・調剤薬局>
研修実施、交流会での意見交換への参加、県への報告
(2)薬剤師の需給状況調査の拡充
H26年度は、不足人数に加えて、薬剤師確保の必要性や不足の理由等についても調査し、把握した実状を踏まえた確保対策につなげる。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
県と鳥取県薬剤師会が連携し次の取組を実施
(鳥取県薬剤師確保対策推進事業を含む)
@大学の就職ガイダンスへの参加
24年度:5大学、25年度:4大学、26年度:2大学(26年5月時点)
A薬学部生のインターンシップ受け入れ
25年度に大阪薬科大学と協定を締結し学生2名を受け入れ。
B未就業者登録、復職支援プログラムによる実習
これまでの取組に対する評価
薬剤師不足は、国の免許制度や医療制度が関わる全国的な問題であり、抜本的な対策は難しいが、これまでに県と薬剤師会が参加した就職ガイダンスで話を聞いた薬学生が地元鳥取に就職した実例もあるため、面談などをきっかけとして、その後の県内就職につながる可能性は十分にある